盲目の秋
II
II
これがどうなろらうと、あれがどうならうと、
そんなことはどうでもいいのだ。
これがどういふことであろらと、それがどういふことであらうと、
そんなことはなほさらどうだつていいのだ。
人には自恃があればよい!
その餘はすべてなるまゝだ……
自恃だ、自恃だ、自恃だ、自恃だ、
ただそれだけが人の行ひを罪としない。
平気で、陽氣で、藁束のやうにしむみりと、
朝霧を煮釜に塡めて、跳起きられればよい!
そんなことはどうでもいいのだ。
これがどういふことであろらと、それがどういふことであらうと、
そんなことはなほさらどうだつていいのだ。
人には自恃があればよい!
その餘はすべてなるまゝだ……
自恃だ、自恃だ、自恃だ、自恃だ、
ただそれだけが人の行ひを罪としない。
平気で、陽氣で、藁束のやうにしむみりと、
朝霧を煮釜に塡めて、跳起きられればよい!
中原中也 1934 「山羊の歌」
出典:中原中也全詩集 P.60 1972 角川書店
注)自恃 = じじ 自分自身をたのみとすること 自負(大辞林)
注)餘 = あまり ほか
注)藁束 = わらたば
注)塡めて = つめて(U.D.)
注)跳起き = とびおき
注)自恃 = じじ 自分自身をたのみとすること 自負(大辞林)
注)餘 = あまり ほか
注)藁束 = わらたば
注)塡めて = つめて(U.D.)
注)跳起き = とびおき
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