除夜の鐘
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千萬年も、古びた夜の空気を顫わし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
それは寺院の森の霧つた空……
そのあたりで鳴つて、そしてそこから響いて来る。
それは寺院の森の霧つた空……
その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ、
その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出、
その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ。
その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出。
その時囚人は、どんな心持だらう、どんな心持だらう、
その時銀座はいっぱいの人出、淺草もいっぱいの人出。
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千萬年も、古びた夜の空気を顫わし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千萬年も、古びた夜の空気を顫わし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
それは寺院の森の霧つた空……
そのあたりで鳴つて、そしてそこから響いて来る。
それは寺院の森の霧つた空……
その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ、
その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出、
その時子供は父母の膝下で蕎麥を食うべ。
その時銀座はいつぱいの人出、淺草もいつぱいの人出。
その時囚人は、どんな心持だらう、どんな心持だらう、
その時銀座はいっぱいの人出、淺草もいっぱいの人出。
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
千萬年も、古びた夜の空気を顫わし、
除夜の鐘は暗い遠いい空で鳴る。
中原中也 1938 在りし日の歌
出典:中原中也全詩集 P.228 1972 角川書店
注)顫わし = ふるわし
注)霧つた = きらった
注)膝下 = ひざもと
注)蕎麥 = そば
注)食う = くらう
注)…べ = …だろう …でしょう 〔方言〕関東から北か(土のちり)
注)顫わし = ふるわし
注)霧つた = きらった
注)膝下 = ひざもと
注)蕎麥 = そば
注)食う = くらう
注)…べ = …だろう …でしょう 〔方言〕関東から北か(土のちり)
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