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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-08-20

ヘンリー・パーセル "Music for a While"


ギリシャ悲劇の最高傑作とも称される「オイディプス王」。その劇への付随音楽。
すべて知らずに犯してしまったこととはいえ、その罪のあまりの深さに、自らの目を潰してなお苦しみ抜く王に、パーセルが贈る至上の癒しの一曲。


Music for a While は、英国のバロック様式の作曲家、ヘンリー・パーセルによるソロ・アルトのための歌曲です。
彼の『オイディプス王』への劇付随音楽 全四部の第二部 として作曲されました。
 -en.wikipedia.org

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『オイディプス王』(またはオイディプース王; -おう、ギリシャ語:Oἰδίπoυς τύραννoς, ラテン文字表記:Oedipus Tyrannus)は、古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人であるソポクレスが、紀元前427年ごろに書いた戯曲。ギリシャ悲劇の最高傑作として、最も挙げられることが多い作品である。テーバイの王オイディプスの物語を題材とする。

テーバイの王オイディプスは国に災いをもたらした先王殺害犯を追及するが、それが実は自分であり、しかも産みの母と交わって子を儲けていたことを知るに至って自ら目を潰し、王位を退くまでを描く。その包み隠すことなき直線的な演劇手法は、アリストテレスの『詩学』をはじめ古くからさまざまな演劇論で悲劇の傑作として評価されてきた。
男子が父親を殺し、母親と性的関係を持つというオイディプス王の悲劇は、フロイトが提唱した「エディプス・コンプレックス」の語源にもなった。
 -ja.wikipedia.org より抜粋

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この曲はアルトのために書かれて歌曲ですが、ここでは、テナー・ブロックフレーテとギター、グロッケンシュピールの演奏で。
使われている楽器はおなじみ Aulos 製の ロビン 211A ですが、プラスチックのテナーの中でも最も安価、ということはまともなテナーのブロックフレーテとしては最安値のものなのですが、その味わい深い音、私には楽器自体が泣いているかのように聴こえます。これは比類のないすばらしいもの、かけがえのない一本です。
好きな人は、このクリップの奏者クリスさんも、それをちゃんと解ってこの楽器を使いますね。

それから、このビデオの写す田園風景、これが浦太郎の個人的な追憶の風景、つくば市郊外の谷田部周辺や、坂戸市郊外の入西や物見山、越辺川周辺、それらとよく似ていて、追憶と重なり心に沁みます。

記事後半に、この曲の歌詞と、それを歌うヘレン・ワッツさんの歌唱の記事へのリンクを載せておきます。

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Bravo !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

3'38"

"Music for a While"
Comp: Henry Purcell (1659-1695) 1692
Tenor Blockflöte & Guitar, Glockenspiel: Chris and the Clones


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歌詞:

"Music for a while
「しばし音楽を

Shall all your cares beguile.
それはあなたのわずらいをすべて紛らせるてくれる。


Wond'ring how your pains were eas'd
わからない… どのようにしてあなたの痛みがやわらげられたのか

And disdaining to be pleas'd
だから 喜んではいられない

Till Alecto free the dead
アレクトが死者を解き放つまで…

From their eternal bands,
…彼女らの不滅のきずなから、

Till the snakes drop from her head,
蛇たちが彼女の頭から落ちるまで、

And the whip from out her hands."
そして鞭が彼女の手から離れるまで。」


"Music for a while
「しばし音楽を

Shall all your cares beguile."
それはあなたのわずらいをすべて紛らせるてくれる。」


John Dryden or Nathaniel Lee : 土のちり訳


関連記事: ヘレン・ワッツ (Alto) "Music for a While"


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注)アレクト=ギリシャ神話 復讐の三女神エリーニュスの一柱、名は「止まない者」の意。
神話によればクロノスがウーラノスを襲って去勢したとき、ウーラノスの傷口から血が大地母神の上にしたたり落ち、そこからエリーニュスとメリアスたちが生まれたという。
エリーニュスたちは、冥府にあるエレボスに住み、頭髪は蛇、頭は犬、身体は炭のように黒く、コウモリの翼を持ち、血走った目をした老女の姿をしている。手には青銅の鋲のついた鞭を持ち、これで打たれた者はもがき苦しんだ末に死ぬ。
初期には、母親に対する侮辱や暴行に対する復讐を司っていたと考えられ、訴えに応じて町から町へ、国から国へと罪を犯した者を追跡し、情け容赦なく罰する神と考えられた。
 -ja.wikipedia より抄訳


改訂:2018.08.27 訳詩4行目 それを喜ぶことを潔としない → 喜んではいられない
2018.08.28 訳詩3行目 どうして → どのようにして
2019.01.14 誤字訂正 改定→改訂
2019.06.24 関連記事リンク記載
2020.04.27 末梢表現変更



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