60 年代の初めころ、ティーンエージャーだった私は、自分で組み立てたポケットラジオのイヤフォーンで、ほとんど毎晩深夜放送を聴いていた。
NHKの第二放送だったと思う、寺山修司氏の語りと音楽の番組があって、そこでこの曲を初めて聞いた。
ジョーン・バエズの透き通るような歌声と、哀愁と優しさに溢れるようなメロディーが心地よく・・・同時に、歌詞が、ぐさりと心に突き刺さった。
以後、この歌は忘れられず、十数年後の菜食主義転向の試みにつながった。
もっともこの試みは一年後に挫折してしまいました m(__)m。
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Joan Baez 1960 "Donna Donna"
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この曲には長い歴史と、様々な解釈があるようです。
束縛、殺戮、自由、自由の獲得・・・。
笑う風・・・は、既に自由を学び獲得した者たちの喜び・・・。
"half the summer's night" は、ユダヤでは、夜は二つに分けられていて、夜の前半は一日の生活を顧みてじっくり考える時間、であるとのことです。
元はユダヤのフォークソングで、バエズが歌っているのは Yiddish 語で書かれた原詩の英語訳「Dona Dona」とほぼ同じ。
両者で2か所ほど異なるところがあります。
その一つ、「Dona Dona」の最後の節を引用します。
Calves are easily bound and slaughtered
Never knowing the reason why
But whoever treasures freedom
Like the swallow must learn to fly.
部分引用:Lyrics by Aaron Zeitlin, music by Sholom Secunda, (1940/41) - the Jewish Magazine
バエズは最後の行を ... has learned to fly と歌っています。
あるいは、英語が堪能な方には問題ないのかもしれませんが、それが苦手な私には、バエズの歌う最後の節にはちょっと違和感がありました。
しかし、原詩英語訳に、must learn と書かれていて、これですっきりしました。