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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-11-03

C. P. ボードレール「高揚」(改訳改題 再掲)


詩集「悪の華」より

 
 
 
高揚


沼の上を、谷の上を、
山を、森を、雲を、海を、
太陽を超え、天空を超え、
天球の果てをも超えて、

俺の魂よ、お前は俊敏に移動する。
そして、泳ぎの達人が波間にうっとりとするように、
お前は広大な深みを楽しげに行き来する、
えも言われぬ雄々しい喜びで。

飛び去れ遥かに、この病的でおぞましい毒気から;
清めろ自らを、天辺の空気で、
そして飲め、純粋で聖なるリキュール、
透明な宇宙を満たす、鮮明な炎を。

憂いと広大な悲しみの陰
それは課す 重くのしかかる陰鬱な生涯を、
幸いなるは、強靭な翼を持つ者
舞い上がれ、明るく穏やかな原野に!

その想像力は ヒバリのごとく、
大空へ暁へ自由な飛翔を得る、
——それは人生の上を舞い、苦もなく理解する
花の言葉を、物言わぬ事物の言葉を!



Charles-Pierre Baudelaire 1857 "Élévation" dans “Les Fleurs du Mal”
C.P. ボードレール 1857 "高揚" -「悪の華」より:土のちり訳


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出典:“Les Fleurs du Mal”, Kindle    


改訂:2018.11.03 ヒバリのごとく 想う者は→その想像力は ヒバリのごとく



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