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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-07-30

中原中也「我が祈り」

中原中也「未刊詩篇」より

2017-07-28

"Felix The Cat"「フィリック」(リンク更新)


ティーン・エイジャーの頃、つまり大昔、好きで毎回欠かさず見ていたテレビのマンガ「フィリック」。
浦太郎の記憶では、放映が始まってしばらくの間は、白黒テレビで、やがてカラー放送が始まって…… "黄色いカバン" の印象がはっきりしたように思います。

2017-07-26

またも逢はめやも



しきたへの 袖交そでかへし君 玉垂の
越智野をちの過ぎく またもはめやも


柿本人麿かきのもとのひとまろ:萬葉集 195


注)しきたへの = 枕詞 床/枕/袖/衣/袂/家/黒髪 などにかかる
注)袖かへし = 袖を裏返して寝ると恋しい人を夢に見るという〈俗信〉
注)玉垂の = たまたれの 枕詞 “越智野” の読み ”を” にかかる 元の意はすだれの美称
注)越智野 = 越智の地にある大野
注)過ぎ行く = 衰え 終る 亡びる 消え去る → 亡くなって葬られるの意
注)…めやも = …るだろうか、いや …ないな。

出典:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


2017-07-24

2017-07-22

M.カラス / G.プレートル「私のお父さん」


マリア・カラスさん、ご指名のジョルジュ・プレートル氏の指揮で歌います。
プッチーニ作曲「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」。

2017-07-21

中原中也「夏の日の歌」


中原中也「山羊の歌」より

2017-07-19

こゆ鳴き渡る


題詞:小治田朝臣広耳をはりだのあそみひろみみの歌一首

2017-07-17

ジョルジュ・プレートル最後のコンサート


"ジョルジュ・プレートルとウィーン交響楽団 最後のジョイント・コンサート" より
於:2016年10月16日-17日 ウィーン楽友協会大ホール

2017-07-16

ありがとう M. ジョルジュ・プレートル


この頃は、新聞も読まず、ラジオも聞かず、テレビもほとんど見ることなく、すっかり浦島太郎になりきってしまっていて…… 昨夕初めて知った悲しいできごと。
92歳で現役であった、ジョルジュ・プレートル氏が、去る1月4日、亡くなりました。遅ればせながら、哀悼の意を表します。

2017-07-13

エマニュエル・パユ Debussy「シランクス」


エマニュエル・パユというフルーティスト、長い間名前だけは知っていましたが、つまらぬ理由から聴いたことはなかったのですが……
初めて聴いたこの "Syrinx" まさに、衝撃的でした。

2017-07-11

ステファヌ・マラルメ「白鳥」


「上田敏全訳詩集」より

 … 益も無き 流竄の日に 白鳥は たゞ侮蔑の 衣を纏ふ

2017-07-09

来鳴きとよもせ



がやどに 月おし照れり ほととぎす
心あれ小夜こよひ 来鳴きなきとよもせ

大伴書持おほとものふみもち:萬葉集 1480


注)おし照れり = 押さえつけるかのように強い光で照る
注)心あれ = 意を察し
注)とよもせ = 響もせ 響き渡らせよ

出典:新編日本古典文学全集 萬葉集2 1999 小学館
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


2017-07-08

白鳥 の「ありがとう〜ハグ」


野生動物が、幼い時人間に育ててもらったり、大怪我を人間に癒してもらったりすると、野生に戻されてから年月を経ても、それを覚えていて、再会すると近づいてきて抱きついたりする、という話は、ライオンやゴリラなど、哺乳類の例はいくつか聞いたことがあります。

しかし、鳥類となると、そういう話は聞いたことがありませんでした。

ビデオ・クリップは、イギリスのアボッツバリー・スワンナリー(白鳥飼育所)で起きた、人と白鳥の深い絆のお話。
ナレーションのテキストも載っていたので、その訳を記します。

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これは、人間と怪我をした白鳥、の間に育まれた、大変感動的なできごとで、白鳥が、単に感謝するだけではなく、彼に深い信頼を寄せていることを表した、際立って心温まるひと時です。

リチャード・ヴィーゼ氏は、この傷ついた白鳥に遭遇したとき、テレビ番組 "Born to Explore" を開催するために、数年前に英国の Abbotsbury Swannery を訪れていました。

白鳥は、金網のフェンスに飛び込んで負傷していました。ヴィーゼ氏は動物に近づき、それを治療のための聖域に運ぶ前に、楽にしてあげようと試みました。

それから数年ののち、白鳥とその救助者が再会し、そして、その動物は、ヴィーゼ氏が彼のために何をしたか、忘れていないようでした。

ヴィーゼ氏が ABC News に語ります:
「私が、白鳥を私の側に寄せると、白鳥の心臓の鼓動が聞こえるような感じがしました、そして、白鳥は、すっかり首をリラックスさせて、その首を私の首の周りに巻きつけたのです。ある動物が、あなたに完全な信頼を寄せる時、それは、とても素晴らしいひと時です。」

「彼らは、縄張りを持つ動物で、例えば、人間が巣に近づけば自分自身を守ります、更に、」ヴィーゼ氏が ABC に語ります「白鳥たちは美しい動物であると同時に、彼らは、人々の近くで、獰猛である場合もあり得ます。」

そうですね、この白鳥にかぎっては、ヴィーゼ氏に扱われて、恐れを感じて飛びのいたり、あるいは、攻撃したりはしませんでした。
それどころか、白鳥は、自分の救助者の腕の中で完全に安全であることに気がつき、そして、ヴィーゼ氏と、忘れがたいハグをしてもよいと思う、それ以上のものを感じたのです。


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“Mr. Richard Wiese with His Swan”
Abbotsbury Swannery, England


2017-07-06

中原中也「夏と私」


未刊詩篇より




  夏と私


眞ッ白い嘆かひのうちに、
海を見たり。鷗を見たり。
高きより、風のただ中に、
思ひ出の破片の翻轉するをみたり。
夏としなれば、高山に、
眞ツ白い嘆きを見たり。
燃ゆる山路を、登りゆきて
頂上の風に吹かれたり。
風に吹かれつ、わが來し方に
茫然としぬ、…………涙しぬ。
はてしなき、そが心
母にも、………もとより友にも明さざりき。
しかすがにのぞみのみにて、
拱きて、そがのぞみに纒倒さるる。
わが身を見たり、夏としなれば、
そのやうなわが身を見たり。

       (一九三〇・六・一四)


中原中也 1930 未刊詩篇


出典:中原中也全詩集 P.476 1972 角川書店

注)嘆かひ = なげかい 嘆き続けること
注)鴎 = かもめ
注)翻轉 = ほんてん ひっくりかえること
注)來し方 = こしかた 来た方
注)しかすがに = そうではあるが しかしながら
注)拱きて = こまぬきて 腕を組んで 何もせずに こまねいて
注)厭倒 = あっとう 圧倒


改訂:2017.08.12 Safari による保存時の特定旧字体無視を Chrome により訂正 - 海→海
  :2018.07.01 表示乱れ修正 レイアウト更新



2017-07-02

スヴェトラーナ・ザハーロワ「去り逝く白鳥」


死をまえにして、白鳥は非常に美しい声で鳴く、と言われています。
その起源は、古代ギリシャ人がそう信じていたところにあるようです。
ギリシャの哲学者プラトンは著書「パイドン」の中で、死刑に処せられるその日のソクラテスに、次のように語らせています。

2017-07-01

F.プーランク「フルート廃墟を癒す」


音が心を運ぶ、物陰の奥深く、光の届かぬ闇にも、届く……