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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-07-26

またも逢はめやも



しきたへの 袖交そでかへし君 玉垂の
越智野をちの過ぎく またもはめやも


柿本人麿かきのもとのひとまろ:萬葉集 195


注)しきたへの = 枕詞 床/枕/袖/衣/袂/家/黒髪 などにかかる
注)袖かへし = 袖を裏返して寝ると恋しい人を夢に見るという〈俗信〉
注)玉垂の = たまたれの 枕詞 “越智野” の読み ”を” にかかる 元の意はすだれの美称
注)越智野 = 越智の地にある大野
注)過ぎ行く = 衰え 終る 亡びる 消え去る → 亡くなって葬られるの意
注)…めやも = …るだろうか、いや …ないな。

出典:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


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