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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-04-30

A.ルービンシュタイン Chopin Waltz 64-2


ショパンのワルツは、十代の中頃、フィリップ・アントルモンの演奏をレコードが擦り切れるのが心配になる程聴いた。

2017-04-28

ありて後にも


玉のを 沫緒あわをりて 結べらば
ありて後にも はざらめやも

紀女郎きのいらつめ:万葉集

出典:日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館
注)玉の緒 = 宝玉などを通した短い紐 短い命(魂:たま)にも譬えられる
注)沫緒 = 糸あるいは紐の撚り方の一種
注)結べらば = 結ぶならば
注)ありて後 = 生き長らえた後
注)逢はざらめやも = 逢えないでしょうか…いえ…


2017-04-26

リルケの墓碑銘(改訂再録)


リルケの墓には自ら書き残した墓碑銘が刻まれている。

2017-04-24

中原中也「正午」


中原中也 「在りし日の歌」より

2017-04-22

タチアナ・リツコヴァさん J.S.B.“Allegro”


2週間ほど前、12歳当時の、トークと演奏のビデオを紹介したタチアナ・リツコヴァさん、その後の演奏から一つ。

  J.S. バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番BWV1003より “アレグロ”

飛ぶような弾けるような、撥弦楽器特有の響きと相まって、タチアナさんの演奏、明るく、柔らかく、生き生きとしています。

この演奏より4年ほど前に同じ曲を演奏したビデオもありますが、その時の演奏より更に陰影があって、繊細で少しウェットな感じも加わっているようで、素晴らしい。

潤いを得て、バッハが生き返ったかのように、私には聞こえます。

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“ Allegro from Violin Sonata No.2” BWV1003
作曲: J.S.Bach 編曲:Unknown
Gt: Tatyana Ryzhkova

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この曲、本来のバイオリンの演奏で聴くと、私が大の苦手とする、そして、バッハが得意とする ”分散和音” の連続で‥‥‥おそらく芸術性が大変高いのだろうと思いますが、私は聞いていて疲れてしまいます。
連続する分散和音はモダンジャズでもずいぶん聴いて、どちらも、もう食傷の果て。

これは、私が、本来、芸術には興味がない、ということの顕れだろうと思います。

どう考えても、どのような芸術作品も、私は ”エンターテイメント” として味っていると思います。
あるいは、私は ”芸術” というものは、よく解らないし、それ以前に、好きではない、いや嫌いだと言った方がいいくらいです。
特に、新進芸術家と自称するかそう呼ばれる人、あるいはマスコミが、新しい芸術云々と称して、グランドピアノの足をのこぎりで挽いたり、建物を布で包んだりする、そういう類のものを喧伝する時、芸術という言葉自体が嫌になります。

しかし、身の回りにある様々な分野の ”芸術作品” と呼ばれるものに、好きなものはたくさんあるし、好んで味わい、深い感銘を受けたりもします。
私にとって、他の人はともかく、それらは、突き詰めて云えば ”エンターテイメント” である、と云うことです。
おそらく、私が ”芸術作品” に求めているのは、カタルシス(精神の浄化)という、多分に情緒的なものなのだと思います。
そして、作品の中に新しい美そのものを発見したり、分析して新しい美を追求したりするような意味での ”芸術” には背を向けている、それがエンターテイメントの中身なのだろうと思います。


2017-04-18

中原中也「月夜の濱邊」


中原中也「未刊詩篇」より

2017-04-16

パウル・バルシュ「春」


パウル・バルシュ「詩集」より

 改訂:2020.04.19 レイアウト更新

2017-04-14

イヴ・モンタン「チャオ・チャオ・ベラ」


テレビの番組で、定番の「刑事フォイル」の他に、時々見ることのある唯一のものに「イタリアの小さな村」という番組があります。
数週間前に見たその番組で、ある村の若者たちが一日の激しい労働を終えたあと、ワインをたくさん飲んで気勢をあげたその勢いで、歌い出した歌、"Bella Ciao"。

2017-04-11

今は春へと


うちのぼる 佐保の川原かはらの 青柳は
今は春へと なりにけるかも

大伴郎女おほとものいらつめ:万葉集

出典:日本古典文学全集 萬葉集2 1999 小学館
注)うち… = 続く動詞を 強め/軽くし/ 抽象化し 語調を整える
注)上る = ここでは 遡るの意
注)…へ = …の装いに


2017-04-10

C.P. ボードレール「高翔」- 改訳改題版 別途公開 -


 - 改訂版準備中 -

タイトルを「高揚」に変更し、訳文に訂正を加えた上、改訂版を新しい記事として下記リンク先にアップしています。

Link 改訳: 「高揚」

2018.11.03



2017-04-08

中原中也「閑淑」


中原中也「未刊詩篇」より

2017-04-07

ギタリスト タチアナ・リツコヴァ さん


Tatyana Ryzhkova(タチアナ・リツコヴァ)さん。1986 年ベラルーシ生まれ、ドイツ在住のギタリスト。



バッハの管弦楽曲をはじめ、ショパンのワルツ 、ギターの名曲、自作の詩や曲、など‥‥ ネット上でその素晴らしい演奏のいくつかを高音質・高画質で聴くことができます。

ここでは、その中から、十数年まえ、12歳の時、自国ベラルーシのTV局インタビューを受けた時の録画を(音質・画質は良くありませんが)……
この年齢で、すでに、ギターを自由に操るテクニックを身に付けているだけではなく、”音楽する心” について考え、語っています。
このような幼い時からの資質が、現在の彼女の演奏を、柔軟で、生き生きとしたものにしているのではないかな、と思います。

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   Brava !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
4'37"
"Allegro from Sonata II BWV 1003"
Comp: Johann Sebastian Bach
Guitar: Tatyana Ryzhkova


改訂: 2018.05.02 当初の埋込動画が利用できなくなっているため、彼女の初期の演奏の公開録画の一つに差替えました。


2017-04-06

かくし咲けらば


あしひきの 山桜花やまさくらばな 日並  けならべて
かくし咲けらば はだひめやも

山部赤人やまべのあかひと:万葉集

出典:日本古典文学全集 萬葉集2 1999 小学館

注)あしひきの = 枕詞 山にかかる
注)日並べて = 何日も続けて
注)かく = このように
注)‥‥し = 強調 → かくし = こんなにも
注)はだ‥‥ = はなはだ → ここでは反語 少しも‥‥ の意
注)‥‥やも = 疑問・反語 ‥‥ を疑い否定する


2017-04-02

G. アポリネール「ミラボー橋」


アポリネール 詩集 "アルコール" より「ミラボー橋」

 作曲:レオ・フェレ
 歌唱:イヴェット・ジロー

2017-04-01

中原中也「春」


中原中也「未刊詩篇」より