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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-04-16

パウル・バルシュ「春」


パウル・バルシュ「詩集」より

 改訂:2020.04.19 レイアウト更新







森は今、花さきみだれ
えんなりや、五月さつきたちける。
神よ、擁護おうごをたれたまへ、
あまりにさちのおほければ。

やがてぞ花は散りしぼみ、
艶なる時も過ぎにける。
神よ擁護をたれたまへ、
あまりにつらき 災 とがそ。




Paul Barsch 1860-1931「詩集」より
上田 敏 訳 1905「海潮音」本郷書院



出典:日本近代文学大系 52 明治大正譯詩集 1971 角川書店


注)艶なり = なまめかしくつややかである, 優美である (大辞泉+俗解)
注)擁護おうご = 擁護ようご, 加護 (大辞泉+俗解)
注)な来そ = 来ないように (俗解)



改訂:20200311 レイアウト変更, 注釈に加筆
20221207 出典出版年追記



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