閑淑
なんにも訪うことのない、
私の心は閑寂だ。
それは日曜日の渡り廊下、
――みんなは野原へ行っちゃった。
板は冷たい光澤をもち、
小鳥は庭に啼いている。
締めの足りない水道の、
蛇口の滴は、つと光り!
土は薔薇色、空には雲雀
空はきれいな四月です。
なんにも訪うことのない、
私の心は閑寂だ。
私の心は閑寂だ。
それは日曜日の渡り廊下、
――みんなは野原へ行っちゃった。
板は冷たい光澤をもち、
小鳥は庭に啼いている。
締めの足りない水道の、
蛇口の滴は、つと光り!
土は薔薇色、空には雲雀
空はきれいな四月です。
なんにも訪うことのない、
私の心は閑寂だ。
中原中也 「在りし日の歌」
出典:中原中也全詩集 P.214 1972 角川書店
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