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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-03-30

ハインリッヒ・ ハイネ「死は涼しき夜」


詩集「歌の本」より



死は涼しき夜


死は涼しいよるだ。
生は蒸し暑い昼間だ。
早や黄昏たそがれそめて、私は眠い。
昼間の疲れは私に重い。

わが奥津城に一本の樹は伸びでるだろう、
そこに一羽のうぐいすはうたうだろう。
その鳥の歌うのはただ愛のうたばかり。
死の夢の中でも私は聴くだろう。



Heinrich Heine 1827 "Der Tod, das ist die kühle Nacht" aus Buch der Lieder
ハインリッヒ・ハイネ「死は涼しき夜」:片山敏彦 訳




出典:新譯 ハイネ詩集 片山敏彦 訳 1938 新潮社

注)奥津城=神式の(古代の)墓


改訂:2018.05.11 誤記訂正 1825→1827 (詩集発表年)
2018.05.16 出典名に "新譯" 追記
2024.04.15 末梢改訂

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