家にありし 櫃に鏁刺し 蔵めてし
恋の奴の つかみかかりて
恋の奴の つかみかかりて
左注:右の歌一首は、穂積親王の、宴飲の日に、酒酣なる時に、好みてこの歌を誦ひ、以て恒の賞と為しししものなり。
穂積親王:萬葉集 3816
注)櫃=ひつ 蓋のある大きな木箱
注)鏁=くさり とざす かぎ 鎖の俗字(全集)
注)蔵めてし=おさめ 隠し しまい込む→閉じ込めた 封印した
注) …て=〔助詞〕動作・状態がそこで一旦区切れることを表す
注) …し=〔助詞〕基本は強意 かつ不確定・推量などの内在を表す(辞典/土のちり)
注)恋の奴の="恋" を奴にたとえた擬人法→恋という奴めが
注) 奴=やっこ 人に召し仕えられる身分の低い者 さげすまれる者
注) …の= 之 軽侮・賤視の感情を表す メ に相当〔助詞〕ガ によって訓む→奴めが
注)つかみかかりて=接続助詞 テ に続く述語省略→掴みかかりおって!…
注)宴飲=えんいん 酒盛り
注)酒酣=さけたけなわ 酣=[音]カン[訓]たけなわ
出典:新日本古典文学大系 萬葉集4 2000 岩波書店
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集4 1999 小学館
:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店
注)鏁=くさり とざす かぎ 鎖の俗字(全集)
注)蔵めてし=おさめ 隠し しまい込む→閉じ込めた 封印した
注) …て=〔助詞〕動作・状態がそこで一旦区切れることを表す
注) …し=〔助詞〕基本は強意 かつ不確定・推量などの内在を表す(辞典/土のちり)
注)恋の奴の="恋" を奴にたとえた擬人法→恋という奴めが
注) 奴=やっこ 人に召し仕えられる身分の低い者 さげすまれる者
注) …の= 之 軽侮・賤視の感情を表す メ に相当〔助詞〕ガ によって訓む→奴めが
注)つかみかかりて=接続助詞 テ に続く述語省略→掴みかかりおって!…
注)宴飲=えんいん 酒盛り
注)酒酣=さけたけなわ 酣=[音]カン[訓]たけなわ
出典:新日本古典文学大系 萬葉集4 2000 岩波書店
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集4 1999 小学館
:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店
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