夏の日の歌
靑い空は動かない、
雲片一つあるでない。
夏の眞昼の静かには
タールの光も淸くなる。
夏の空には何かがある、
いぢらしく思はせる何かがある、
焦げて圖太い向日葵が
田舎の驛には咲いてゐる。
上手に子供を育てゆく、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
山の近くを走る時。
山の近くを走りながら、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
夏の眞昼の暑い時。
雲片一つあるでない。
夏の眞昼の静かには
タールの光も淸くなる。
夏の空には何かがある、
いぢらしく思はせる何かがある、
焦げて圖太い向日葵が
田舎の驛には咲いてゐる。
上手に子供を育てゆく、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
山の近くを走る時。
山の近くを走りながら、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
夏の眞昼の暑い時。
中原中也 1934 山羊の歌
出典:中原中也全詩集 P.40 1972 角川書店
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