友が残してくれた写真集

逝ってしまった親友が、およそ20年前に贈ってくれた、宝物の写真集です。

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写真集 　花や木や虫が好き　　風来庵 恩田碩昭

写真集前書きより：

社会がだんだん便利で忙しくなるのにつれて、
人が次第に潤いをなくしていくようです。
今こそ、すべての人が、
身近の自然を見つめる目を持って欲しいと願います。
都会の真ん中でもたくさんの生命があふれているのです。
その生命を感じ取れる心が大切だと考えています。

いま、自然保護が叫ばれていますが、
その前に、まず身近の自然をよく見つめてください。
よく見ること、少しずつ知ること、
そこからすべてが始まると思います。

中略

この写真集は、私の家の近所の散歩のときや、
スキーやハイキングに出かけたときに写した、
ごく普通の光景のモノクロームの写真によって編集しました。
あえてモノクロームの写真集としましたのは、
色を使わないことによって、情景の説明を最小限にとどめ、
見る人の創造に委ねたいと願ったからです。
また、モノクロームの世界は、
白から無限の諧調のグレー、そして黒へとじつに多彩であり、
カラーより人を内省的にさせてくれます。

この写真集を見る人の、
その日のコンディションや、天候や、聞いている音楽によって、
きっと想像の世界で、見える色、そよぐ風が違ってくるはずです。
この写真集が
見る人の、自然を感じる心を触発して、
草や木や虫や、風や光に共感できるようになることを祈っています。

私は、この写真集を環境映像のつもりでつくりました。
どうか、お好きな音楽を、
……バロック…クラシック…ジャズ…ポップス…民謡…
など聞きながら、ゆったりとご覧ください。

　　　　　　　　　　　　風　来　庵　　　恩田　碩昭

P.33　 霧のカエデ
（クリックすると拡大します）

恩田碩昭 語録：

写真はどんな道具（カメラ）を使って、どんな物（被写体）を撮っても結局作者の「人間」が写ってしまうと言う不思議な物です。
良い写真（うまい写真ではありません）を撮りたければ、良い生活をして行くことだと思っています。

出典：2003/10/18 Kodak Photo Club 主催
「江戸の運河・水路の遺構と清澄庭園」写真愛好家コース撮影会 講師講評より

改訂：2020.07.04 レイアウト更新