
中原中也「山羊の歌」より
修羅街輓歌
関口隆克に
IIII
いといと淡き今日の日は
雨 蕭々 と降り洒ぎ
水より淡き空気にて
林の香りすなりけり。
げに秋深き今日の日は
石の響きの如くなり。
思い出だにもあらぬがに
まして夢などあるべきか。
まことや我は石のごと
影の如くは生きてきぬ……
呼ばんとするに言葉なく
空の如くははてもなし。
それよかなしきわが心
いわれもなくて拳する
誰をか責むることかある?
せつなきことのかぎりなり。
雨 蕭々 と降り洒ぎ
水より淡き空気にて
林の香りすなりけり。
げに秋深き今日の日は
石の響きの如くなり。
思い出だにもあらぬがに
まして夢などあるべきか。
まことや我は石のごと
影の如くは生きてきぬ……
呼ばんとするに言葉なく
空の如くははてもなし。
それよかなしきわが心
いわれもなくて拳する
誰をか責むることかある?
せつなきことのかぎりなり。
中原中也 1934 「山羊の歌」
出典:中原中也全詩集 P.108 1972 角川書店
注)輓歌 = 挽歌
注)蕭々 = もの寂しく感じられるさま
注)蕭々 = もの寂しく感じられるさま
改定:2018.06.19
題名使用数字を変更し原典と整合 IV → IIII
レイアウト更新 関連記事リンク追記
題名使用数字を変更し原典と整合 IV → IIII
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