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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- 二人乗り自転車の歌 重要: たくさん分かち合う→運命を共有する (韻に託けて文法無視で意訳した前訳を改訂)

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞追記

2018-08-11

立原道造「朝に」


詩集「優しき歌 II」より





VI 朝に




おまへの心が 明るい花の
ひとむれのやうに いつも
眼ざめた僕の心に はなしかける
《ひとときの朝の この澄んだ空 青い空

傷ついた 僕の心から
とげを抜いてくれたのは おまへの心の
あどけない ほほゑみだ そして
他愛もない おまへの心の おしやべりだ

ああ 風が吹いてゐる 涼しい風だ
草や 木の葉や せせらぎが
こたへるやうに ざわめいてゐる

あたらしく すべては 生れた!
露がこぼれて かわいて行くとき
小鳥が 蝶が 昼に高く舞ひあがる




立原道造 1914-1939 詩集「優しき歌 II」より



出典:立原道造詩集 1988 岩波書店

改訂:2019.06.30 記事タイトル数字削除
2024.05.10 レイアウト微調整, アイコンLink修正



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