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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-07-10

見まく欲ほり


題詞:大津皇子おほつのみここうぜしのちに、大来皇女おほくのひめみこの、伊勢いせ斎宮いつきのみや よりみやこに上のぼりしときに御作つくりたまひし歌二首 (その二)



見まくり がする君も あらなくに
  なにしかけむ 馬かるるに



大来皇女おほくのひめみこ:萬葉集 164



注)題詞:薨ぜし=こうぜし こう《薨:名:死の尊敬語》+ ぜし《為す:四段:連用》→亡くなった
注)見まく=《見ム のク語法》見ること 見ようとすること 見るであろうこと
注)欲り=《欲る:四段:連用》願い望む ほしがる
注)君=謀反の嫌疑をかけられ磐余(奈良)の自宅で自害させられた弟の大津皇子を指す
注)あらなくに=あら《有り/在り:ラ変》+ なくに《連語:打消しの助動詞 ズ のク語法 ナクと 助詞 ニ との複合》→いないのに


出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館
  :岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


改訂:2018.07.14 ルビ表示乱れ訂正 注記不整合訂正

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