題詞:大津皇子の薨ぜし後に、大来皇女の、伊勢の 斎宮 より京に上のぼりしときに御作たまひし歌二首 (その二)
見まく欲り 我がする君も あらなくに
なにしか来けむ 馬疲かるるに
なにしか来けむ 馬疲かるるに
大来皇女:萬葉集 164
注)題詞:薨ぜし=こうぜし こう《薨:名:死の尊敬語》+ ぜし《為す:四段:連用》→亡くなった
注)見まく=《見ム のク語法》見ること 見ようとすること 見るであろうこと
注)欲り=《欲る:四段:連用》願い望む ほしがる
注)君=謀反の嫌疑をかけられ磐余(奈良)の自宅で自害させられた弟の大津皇子を指す
注)あらなくに=あら《有り/在り:ラ変》+ なくに《連語:打消しの助動詞 ズ のク語法 ナクと 助詞 ニ との複合》→いないのに
出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館
:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店
改訂:2018.07.14 ルビ表示乱れ訂正 注記不整合訂正
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