
羊の歌
安原喜弘に
II
思惑よ、汝 古く暗き気體よ、
わが裡より去れよかし!
われはや單純と靜けき呟きと、
とまれ、清楚のほかを希わず。
交際よ、汝陰鬱なる汚濁の許容よ、
更めてわれを目覚ますことなかれ!
われはや孤寂に耐えんとす、
わが腕は既に無用の有に似たり。
汝、疑ひとともに見開く眼よ
見開きたるまゝに暫しは動かぬ眼よ、
ああ、己の外をあまりに信ずる心よ、
それよ思惑、汝 古く暗き空気よ、
わが裡より去れよかし去れよかし!
われはや、貧しきわが夢のほかに興ぜず
わが裡より去れよかし!
われはや單純と靜けき呟きと、
とまれ、清楚のほかを希わず。
交際よ、汝陰鬱なる汚濁の許容よ、
更めてわれを目覚ますことなかれ!
われはや孤寂に耐えんとす、
わが腕は既に無用の有に似たり。
汝、疑ひとともに見開く眼よ
見開きたるまゝに暫しは動かぬ眼よ、
ああ、己の外をあまりに信ずる心よ、
それよ思惑、汝 古く暗き空気よ、
わが裡より去れよかし去れよかし!
われはや、貧しきわが夢のほかに興ぜず
中原中也 1934 「山羊の歌」
出典:中原中也全詩集 P.124 1972 角川書店
参照:小学館 全文全訳古語辞典
注)裡=うち 内 中
注)希わず=ねがわず
注)汚濁=おだく おじょく
注)更めて=あらためて
注)孤寂=こじゃく
注)外=ほか
参照:小学館 全文全訳古語辞典
注)裡=うち 内 中
注)去れよかし=去れ〔去る:自ラ四:命令〕+よ〔間投助-強調〕+かし〔終助-念押〕→ 去れよな!
注)呟き=つぶやき注)希わず=ねがわず
注)交際=社会生活を営む際に生じる他者との関係を円滑に行うための行為(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
注)陰鬱=いんうつ注)汚濁=おだく おじょく
注)更めて=あらためて
注)孤寂=こじゃく
注)外=ほか
改訂:2018.07.15 アイコン・リンクURL修正
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