序の歌
しづかな歌よ ゆるやかに
おまへは どこから 来て
どこへ 私を過ぎて
消えて 行く?
夕映えが一日を終わらせよう
と するときに ──
星が 力なく 空にみち
かすかに囁きはじめるときに
そして 高まつて むせび泣く
絃のやうに おまへ 優しい歌よ
私のうちの どこに 住む?
それをどうして おまへのうちに
私は かへさう 夜ふかく
明るい闇の みちるときに?
おまへは どこから 来て
どこへ 私を過ぎて
消えて 行く?
夕映えが一日を終わらせよう
と するときに ──
星が 力なく 空にみち
かすかに囁きはじめるときに
そして 高まつて むせび泣く
絃のやうに おまへ 優しい歌よ
私のうちの どこに 住む?
それをどうして おまへのうちに
私は かへさう 夜ふかく
明るい闇の みちるときに?
立原道造 1914-1939 詩集「優しき歌 II」より
出典:立原道造詩集 1988 岩波書店
改訂:2018.07.27 誤植訂正
2024.05.10 レイアウト微調整, アイコンLink修正
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