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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

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ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞を追記 (1連のみ)

ハインリッヒ・ハイネ「いと麗しき五月」 訳詩中の "も" について加筆/仮名遣い及ルビを原典に整合

2018-07-27

立原道造「序の歌」


詩集「優しき歌 II」より



序の歌




しづかな歌よ ゆるやかに
おまへは どこから 来て
どこへ 私を過ぎて
消えて 行く?

夕映えが一日を終わらせよう
と するときに ──
星が 力なく 空にみち
かすかに囁きはじめるときに

そして 高まつて むせび泣く
げんのやうに おまへ 優しい歌よ
私のうちの どこに 住む?

それをどうして おまへのうちに
私は かへさう 夜ふかく
明るい闇の みちるときに?




立原道造 1914-1939 詩集「優しき歌 II」より



出典:立原道造詩集 1988 岩波書店


改訂:2018.07.27 誤植訂正 こど → どこ



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