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cogito ......


東明しののめ の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく、、、、、小旗の如く涕なかんかな

    或あるはまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
    海の上への風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

       中原中也「老いたる者をして」- 詩集「在りし日の歌」より

2026-07-17

中原中也「酒は誰でも酔はす」


「未刊詩篇」より




  (酒は誰でも酔はす)

酒は誰でも酔はす
だがどんな傑れた詩も
字の読めない人は酔はさない
――だからといつて
酒が詩の上だなんて考へる奴あ
「生活第一芸術第二」なんて言つてろい

自然が美しいといふことは
自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい――
そりや経験を否定したら
インタレスチングな詩は出来まいがね
――だが
「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ

科学が個々ばかりを考へて
文学が関係ばかりを考へ過ぎる
文士よ
せち辛い世の中をみるが好いが
その中に這入つちや不可ない


中原中也 1907-1937 未刊詩篇



出典:中原中也全詩集 P.895 1972 角川書店

注)這入はい(っちや)=「入る」の強意形ととれる(俗解)
注)不可ない=いけない(俗解)



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