
修羅街輓歌
関口隆克に
序 歌
忌はしい憶ひ出よ、
去れ! そしてむかしの
憐みの感情と
ゆたかな心よ、
返つて来い!
今日は日曜日
椽側には陽が當る。
――もういつぺん母親に連れられて
祭の日には風船玉が買つてもらひたい、
空は靑く、すべてのものはまぶしくかゞやかしかつた……
忌はしい憶ひ出よ、
去れ!
去れ去れ!
去れ! そしてむかしの
憐みの感情と
ゆたかな心よ、
返つて来い!
今日は日曜日
椽側には陽が當る。
――もういつぺん母親に連れられて
祭の日には風船玉が買つてもらひたい、
空は靑く、すべてのものはまぶしくかゞやかしかつた……
忌はしい憶ひ出よ、
去れ!
去れ去れ!
中原中也 1934 「山羊の歌」
出典:中原中也全詩集 P.105 1972 角川書店
注)忌はしい=いまわしい
注)憶ひ出=おもいで 思い出
注)椽側=えんがわ 縁側
注)當る=あたる 当たる
注)憶ひ出=おもいで 思い出
注)椽側=えんがわ 縁側
注)當る=あたる 当たる
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