Click Icon or Scroll

Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- The Alexander Brothers : Nobody's Child リードに加筆, 一部記述変更

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞掲載

2018-06-20

中原中也「修羅街輓歌 序歌」


中原中也「山羊の歌」より




修羅街輓歌

関口隆克に


      序 歌


忌はしい憶ひ出よ、
去れ! そしてむかしの
憐みの感情と
ゆたかな心よ、
返つて来い!

  今日は日曜日
  椽側には陽が當る。
  ――もういつぺん母親に連れられて
  祭の日には風船玉が買つてもらひたい、
  空は靑く、すべてのものはまぶしくかゞやかしかつた……

     忌はしい憶ひ出よ、
     去れ!
        去れ去れ!


中原中也 1934 「山羊の歌」



出典:中原中也全詩集 P.105 1972 角川書店


注)忌はしい=いまわしい
注)憶ひ出=おもいで 思い出
注)椽側=えんがわ 縁側
注)當る=あたる 当たる


関連記事:「修羅街輓歌 IIII」



0 件のコメント:

コメントを投稿

      ********** 投稿要領 **********
1. [公開] ボタンは記入内容を管理者宛に送信し即公開はしません
 (サイト劣悪仕様により当該文字列変更不能)
2. 非公開希望の場合もその旨記述しこのボタンで送信して下さい
3. 送信された記述内容は管理者の承認を経て原則公開されます
4. 反公序良俗, 政治的偏向過剰, 宣伝, 広告, スパム等は不可
      **********************************