寂しい松の樹
草も木もない北国の
山に立ってる松の樹が
雪と氷にとざされて
うつらうつらと眠ります。
その松の木が見た夢は
とおい東の椰子のゆめ。
烙けつくような絶壁に
寂しく悩む椰子のゆめ。
山に立ってる松の樹が
雪と氷にとざされて
うつらうつらと眠ります。
その松の木が見た夢は
とおい東の椰子のゆめ。
烙けつくような絶壁に
寂しく悩む椰子のゆめ。
Heinrich Heine 1827 Ein Fichtenbaum steht einsam aus Buch der Lieder
ハインリッヒ・ハイネ「寂しい松の樹」歌の本 より:片山敏彦 訳
ハインリッヒ・ハイネ「寂しい松の樹」歌の本 より:片山敏彦 訳
出典:新譯 ハイネ詩集 片山敏彦 訳 1938 新潮社
注)出典訳者あとがきより:「寂しい松の樹」─ 別れたアマーリエへの嘆きが、インドの詩でハイネが読んだ樹の恋と結婚の観念と結びついた。
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