Click Icon or Scroll

Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-06-26

ハインリッヒ・ハイネ「寂しい松の樹」


詩集「歌の本」より




寂しい松の樹


草も木もない北国の
山に立ってる松の樹が
雪と氷にとざされて
うつらうつらと眠ります。

その松の木が見た夢は
とおい東の椰子やしのゆめ。
けつくような絶壁に
寂しく悩む椰子のゆめ。




Heinrich Heine 1827 Ein Fichtenbaum steht einsam aus Buch der Lieder
ハインリッヒ・ハイネ「寂しい松の樹」歌の本 より:片山敏彦 訳



出典:新譯 ハイネ詩集 片山敏彦 訳 1938 新潮社

注)出典訳者あとがきより:「寂しい松の樹」─ 別れたアマーリエへの嘆きが、インドの詩でハイネが読んだ樹の恋と結婚の観念と結びついた。


0 件のコメント:

コメントを投稿

      ********** 投稿要領 **********
1. [公開] ボタンは記入内容を管理者宛に送信し即公開はしません
 (サイト劣悪仕様により当該文字列変更不能)
2. 非公開希望の場合もその旨記述しこのボタンで送信して下さい
3. 送信された記述内容は管理者の承認を経て原則公開されます
4. 反公序良俗, 政治的偏向過剰, 宣伝, 広告, スパム等は不可
      **********************************