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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- 二人乗り自転車の歌 重要: たくさん分かち合う→運命を共有する (韻に託けて文法無視で意訳した前訳を改訂)

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞追記

2018-06-11

中原中也「小景」


** 本記事オリジナル版は URL に誤記があり削除しました。URL のみ訂正し再掲載いたします **

「未刊詩篇」より




  小 景


河の水は濁つて
夕陽を映して銹色をしてゐる。
荷足はしづゝゞとやつて來る。
竿さしてやつて來る。
その船頭の足の皮は、
乾いた舟板の上を往つたり來たりする。

荷足はしづしづ下つてゆく。
竿さして下つてゆく。
船頭は時偶一寸よそ見して、
竿さすことは忘れない。
船頭は竿さしてゆく。
船頭は、夕焼の空さして下る。


中原中也 1907-1937 未刊詩篇



出典:中原中也全詩集 P.614 1972 角川書店

注)銹色=さびいろ
注)荷足=にたり 河川や港湾で荷を運ぶ小型和舟
注)時寓=ときたま
注)一寸=ちょっと


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