うつ

二年ほど前、脊柱管狭窄症の手術をした。手術はうまくいき、下肢にあった独特な痛みがとれた。しかし、足のしびれと、10分程度しか歩けないという間歇跛行の症状はそのまま残ってしまった。

以後、外来診察に通って、様々な検査をし、様子を見ていたが、一向に良くならない。
主治医の脳神経外科の先生によると、人間の、痛みに対する感覚は精神状態の影響を受けていて、同じ刺激に対して痛みとして感じる程度がそれに応じて異なる由。
たとえば、うつ状態にあったりすると、痛み神経が明らかに敏感になるケースがあるとのこと。

それで、主治医の先生の紹介により、先週と先々週、うつ状態にあるか否かの見極めのための心理テストとボケのスクリーニング・テストを受け、昨日、その結果を教えて頂いた。

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心理テストは、"SDS" "POMS" "TEG" という３種類のテスト。
いずれも、結果を偏差値で評価している。

"SDS" - うつ性自己評価尺度テスト：
　- 結果は "うつ病圏の平均に近い" 値。

"POMS" - ｢緊張｣ ｢抑うつ｣ ｢怒り｣ ｢活気｣ ｢疲労｣ ｢混乱｣ の尺度で、気分や感情を測定：
　- 結果は、｢混乱｣ ｢疲労｣ ｢抑うつ｣ の偏差値が極めて高く、"それらの偏差値を学力の偏差値に置き換えれば東大に入れるレベル" といえるほど高い（主治医）。専門医の受診を考慮する必要あり。
｢緊張｣ ｢怒り｣ は平均より少しだけ高く、｢活気｣ は非常に低い。

"TEG" - ５つの心（要素）のバランスから、性格や人との関わり方を分析：
　- 結果は、検査をして下さった心理の先生の、解説が判り易い。

「A 優位型。論理的、知的で何かを始める際には情報を集めるなど、計画的な行動パターンがうかがえる（A↑）。
責任感と他人への思いやりも十分持ち合わせておられるが（CP,NP→）、なっとくいかないことには抗議するなど、他者に理屈で迫ることもあるかもしれない。
集団の中ではくつろぎにくく、感情を抑えがちで、どちらかというと一人でマイペースに行動することを好まれる面がうかがえる（FC,AC↓）。」

５つの心：
A=大人　CP=厳しい親　NP=優しい親　FC=自由な子供　AC=良い子

"ボケのスクリーニング"：
　- 答えに少し時間がかかったものもあったが、結果は満点。
これは、私が希望して受けたテストだったが、しかし、ホントかな、そんなはずは……？！？！

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判定は… （診察ではないので診断ではない、とはいえ、診断に使う心理テストそのものを受けたのではあるが） …うつ状態であるか否かという意味では、…はっきり、黒。

主治医の先生は落ち着いたもので「おそらく、そんな結果だろうと思っていた…」とのこと。もう２年以上続けて、家庭の事情への配慮をも含めて、よく診て頂いているので、精神状態についても察しがついていたらしい。

それで、うつ病の専門医の受診や、抗うつ剤使用の可否などについては、全く言及されなかった。
思うに、テストの結果が明らかにうつ状態を示してはいても、日常生活に大きな支障はなく、自殺の恐れもなく、言動に不審・不安な点がなければ、特に考慮しない、病気として扱わない… という考えであるかのようであった。

昨日の診察では、ただ痛みへの対策のみが示された。
ごくごく少量（通常の1/5）のうつの薬を、それもかなり古典的なもので、今時うつの治療にこんな薬を使う医者はいないと思うなどとと言いながら、"鎮痛剤としての効果を期待して" 処方してくださった。

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心理テストを受けて、その結果を示されて、なにかホッとした。
うつ状態とされる結果を喜んでいるわけではもちろんないが、良くも悪くもこれが今の私、そう思える結果であったことに、安心したような、さっぱりしたような、落ち着いた気持ちになった。

今日は一日中、Patti Page の歌声の "Take it to the Lord in prayer" という歌詞が脳裏に去来して、あれこれと考え、気持ちが落ち着いている。

改訂： 2017/09/19 誤記訂正; 間歇歩行 → 間歇跛行
　　　 2020.07.04 レイアウト更新
　　　 2021.09.10 末梢表現加筆