私は自分の生を
私は自分の生を、成長する幾つかの環のかたちで生きる。
それらの輪は あらゆる物の上に描かれる。
おそらく私は最後の輪を 仕上げることはあるまい。
しかしそれを私は試みよう。
私は神の周りに輪を描くーー神はまことに古い塔だ。
私はめぐりめぐっているーー数千年ものあいだ。
いったい自分は 一羽の鷹だろうか、一つの大風だろうか!
それとも大きな一つの賛歌だろうかーー自分にはわからない。
Reiner Maria Rilke“Ich lebe main Leben“ aus“Das Stunden-Buch (1896-1898)“
ライナー・マリア・リルケ「私は自分の生を」時禱詩集 (1899-1906) より
片山敏彦 訳
ライナー・マリア・リルケ「私は自分の生を」時禱詩集 (1899-1906) より
片山敏彦 訳
出典:リルケ詩集 片山敏彦 訳 1962 みすず書房
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