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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2020-05-23

alibi-41: "トライサイクル" 発車!!!


久しぶりに自転車に乗りました。乗ったのはトライサイクルあるいは三輪自転車、その電動アシスト付き。後輪二輪で左右40cmの幅があり止まっても倒れない。だから絶対安心と言いたいところですが、実はそうではなく大変危険な乗り物なのです。



自転車はもう九か月ほど乗っていません。昨年八月に一般道で転び、その後、越辺川まで行ってサギ山を見つけた時の帰り、近道して通ったわだちの跡と雑草の茂った農道を走って、ちょっと危ない思いをして以来、乗らなくなっていました。
その間、早めにトライサイクルを入手していました。さらに転倒して三度目の脊椎骨折をすると下半身付随になる恐れが大きいとの思いから悩んだ末の止むに止まれぬ購入でした。
三輪車…… ? 敬老車両? 福祉車両? カッコ悪るし。後輪の台車の上に大きなカゴが付いていて何でも載せられ便利そうでした。それに違いはないのですが、リヤカーのような雰囲気でもありました。
リヤカーって、死語? 軽トラックはおろか耕運機も原付もない頃、自転車で牽引した二輪の荷物運搬用台車のことですね。つまり、カッコ悪い。
それで、後ろの大きなカゴは取り外しました。そしてそれとワンタッチで載せ換え可能となるマウントを介し、白いABS樹脂製で防水鍵付きのキャリアーを載せて、少しはスマートにしたつもりでした。
すると今度は、白バイかデリバリーのようになってしまい…… 難しい。

さてその初乗りは、… カメ。この印象は普通の自転車の転倒防止と同じ感覚であらかじめサドルを下げてあったことも影響していました。タイヤの径が小さいせいもあってスピードを上げることに躊躇しましたが、その代わり、路面の縦方向のわずかな溝や段差で前輪が落ちても即転倒する危険の少ないことが実感されるので、路面から目を離して後方の安全に目を遣る時に余裕があります。
数分走ったのち、サドルを目一杯上げて走ると、かなり爽快感がでましたが、路面の凸凹の伝わりかたはあまり変わりません。サスペンションのクッション性が足りないのかも……。しかし、それはスポーツカー乗車時の路面との一体感と同じで走行の安全性にかかわる事柄なので、カメでもテントウ虫でもそれはよしとします。
三輪の自転車に乗るのは、乗り心地を楽しむサイクリング志向ではなく、行動範囲を広げたいからに他なりません。そういはいっても、早い時間で移動するだけなら二輪のほうが軽快でよほど早いのですが、その代償は転倒の危険とそれに伴う神経疲労。三輪なら疲れ知らずでのんびり走れます、ただし、炎天と北風と雨は禁物。


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三輪の自転車が危険な理由:

普通の自転車の後輪を二輪に変えただけのシンプルな構造の三輪自転車にそのまま乗るとどうなるか?

まず、普通の自転車ではどうか?

・普通の自転車でカーブを曲がる時、誰もが例外なしに、体の重心を左か右に移動させて、自転車の車体ごとカーブの内側に傾けて曲がります。これによってカーブの外に向けて走行速度に応じて働く遠心力を相殺して安全に曲がることができます。

・路肩やスロープなどで、進行方向に対して左右に傾斜がある場合:前一輪、後一輪の普通自転車は、この路面の傾斜を、走行する車体の傾きとして影響を受けることはありません。その傾斜路面上に "一輪のタイヤ幅" で乗っている自転車にその傾きはないに等しく、運転者が常に車体と一体で直立するバランスを取っているからです。

それでは、三輪自転車では?

・三輪自転車でカーブを曲がる時、同じように体の重心を左か右に移動させても、サドルから上の上半身は傾きますが、三輪自転車の車体は後の二輪が左右にしっかり踏ん張っていて、車体全体は傾きません。上半身だけの重心移動では走行速度に応じて働く遠心力を相殺できなくなってしまうことが起こり得ます。
そうなると結果は、速度が早いかカーブが急であれば、走行姿勢を維持できなくなりカーブの外側前方へ転倒します。

・路肩やスロープなどで、進行方向に対して左右の傾斜がある路面の場合:後輪二輪の三輪自転車がこの傾斜した路面に乗ると、その路面の傾斜が車体全体の横向きの傾斜となってしまいます。運転者がバランスをとり垂直を保とうとしても、後輪が左右で踏ん張っているため車体を垂直にはできず、走行の揺れがそれに加わると低い方に転倒することになります。


その解決方法は?

・車体全体を、左右二輪で高さの低い後輪台車のみの後部と、それより前のサドル+ハンドル+前輪よりなる前部とに分けた上、その前部を左右傾き可能な構造とする。
この構造によって、運転者は自身と前部車体を一体で重心移動することができ、二輪自転車に近い感覚でバランスを保ちカーブで適正な走行姿勢を保つことができるようになります。
この車体前半の傾けが可能な構造は "スウィング" という名称で呼ばれて説明されているようです。

・前輪を二輪、後輪を一輪とする車体構成にすることで、前方左右への転倒をしにくくすることは可能だと思われます。そのような製品も実用化されているようですが、ハンドル操作を担う前輪の二輪化は構造が複雑になりコスト上昇ともなる上、その構造だけでは傾斜路面上でのバランスの改善には寄与できないため最善とは言い難いでしょう。さらに二輪の前輪をカーブで傾斜させる構造のものもあるようですが、コスト上昇による高価格のみならず、あまりにも複雑で特殊な機構になり過ぎてメンテナンスの方法が問題になります。


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alibi-41: "トライサイクル" 発車!!!

自宅近くの小畔側右岸で


改訂:2020.05.24 末梢表現加筆変更 誤字訂正 路方→路肩→(誤訂正を再訂正)路肩
2020.05.24 前輪二輪車の項に加筆




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