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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2020-05-13

妹を思ひ出で


題詞: 悲緒ひしょ まだまず、さらに作りし歌五首 その四




佐保山さほやまに たなびくかすみ 見るごとに
  いもを思ひで 泣かぬ日は無し



大伴宿禰家持おほとものすくねやかもち:万葉集 473



注)悲緒 (題詞)=悲しみの糸口, あるいは悲しみそのもの(大系)
注)佐保山=火葬の地, 家持の弟書持もまたここで火葬された(大系)
注)たなびく霞=季節は秋, 万葉集では, 「霞」は春, 秋は「霧」とまだ確定していない (大系)
感性を窒息させる悪習 "季語" が「…成立したのは平安時代後期(wikipedia.org)」。そのような自己を埋没させてしまう劣悪な美意識や形式主義がはびこっていないところに万葉集の魅力の一つがある(俗解)


出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店 (大系)
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館 (全集)
学研 全訳古語辞典 改訂第二版 2014 学研 (全訳)




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