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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2019-12-19

恋にあらなくに

 

題詞:神岳かみをかのぼりて、 山部宿禰赤人やまのべのすくねあかひと の作りし歌一首 短歌をあはせたり
    その短歌
反歌


 
 
明日香川あすかがは  川淀 かはよど去らず 立つ霧の
  思ひ過ぐべき 恋にあらなくに


山部赤人やまのべのあかひと:万葉集 325




注)神岳=明日香の神南備かむなびの地の岡 (大系)
注)第三句まで, 第四・第五句全体の譬喩 (大系)
注)明日香川=奈良盆地西部を多く北流する大和川の支流の一つ義 (大辞泉)
注)川淀=川の水のよどんでいる所 (大辞泉)
注)思ひ過ぐ=思いが過ぎ去ってゆく, 忘れると同義 (大系)
注)恋=明日香旧都に対する懐旧恋慕の情(大系)
注)…あらなくに=〔ラ変動詞「あり」の未然形+打消の助動詞「ず」の未然形の古い形「な」+接尾語「く」+助詞「に」〕…ないのだ(全文全訳)


出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店 (大系)
参照:新編日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館 (全集)
小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館 (全文全訳)
学研 全訳古語辞典 改訂第二版 2014 学研 (全訳)




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"朝 霧 2019.12.18"





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