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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2025-05-19

焼き滅ぼさむ


詞書: 中臣朝臣宅守なかとみのあそみやかもり狭野弟上娘子さののおとがみをとめ とが 贈答ぞうたふ せる歌




君がく 道の長手ながてを たた
  焼き滅ぼさむ あめの火もがも


狭野弟上娘子さののおとがみをとめ:萬葉集 3724



解)中臣朝臣宅守は蔵部の女嬬狭野弟上娘子を娶った時に、勅断によって越前国に配流された。そこで夫婦は、別れがあっけなく再開が困難なことを嘆き、悲しみの心を詠み交した、その歌が六十三首ある(全集)

注)詞書 = ことばがき→和語で書かれた和歌の前書き
注)長手=長い道のり, 遠路(辞典)
注)繰り=〔繰る•他動•ラ四•連用〕手繰り寄せる(辞典)
注)畳ね=〔畳ぬ•他動•ナ下二•未然〕畳む(辞典)
注)(焼き滅ぼさ)む=〔む•助動•四段•連体•仮定〕…(焼き滅ぼす)ような(辞典)
注)天の火=天の意志によって起こる災火(全集)
注)もがも=も〔係助詞•最小限の希望〕せめて…だけでも+がも〔終助詞•係助詞「も」につく・願望〕…あってほしい(辞典)


出典:新編日本古典文学全集 萬葉集 1999 小学館(全集)
参照:小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館(辞典)
大辞泉 1995 小学館 (辞泉)
新日本古典文学大系 萬葉集 2000 岩波書店(大系)




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