alibi-36: 引越し未だ完了できず

去年の五月当地に越してきて早十カ月…… 未いまだに荷物は山積みのまま。　完了しない引越しに、転居の挨拶状も取り敢えず印刷まではしたものの、仕上げられず年を越してしまいました。　そして年賀状を下さった方々に、とうとう返信もできぬ非礼のうちに、自己嫌悪に沈んでいます。　何がいけないのか……

…… 思うに、今、生きようという気力に乏しい。もう十分生きた。完全燃焼もした。
燃え尽き症候群。燃えさし、抜け殻か……。

もう、この頂いた生を十分生きた気がする。
といっても、力が及ばなかったこと、知恵が足りなかったこと、配慮に欠けたたこと、そうしてやり残したこと、あれも、これも。でも、持てる力は出し切った。惜しんで残した力は、ない。
難病を得た妻が過酷な生を生きることとなったが、それがあったからこそ、自らの体を壊しても全ての力を出し切る生き方ができた。
そうでなければ煩悩に明け暮れるだけの生涯で終わるにちがいない軟弱な凡人が、全力投球の、完全燃焼の場を得て、持てる力を出し切る、そのような生を生きることが、限られた年月ではあったとはいえ、できた。それには、ただ感謝あるのみ。
もうこの後、何を望むでもないではないか……。

衰える肉体と神経に逆らって、いま、何をか望む。
そう思うせいか、人と挨拶の類たぐいの短い会話がうまくいかない。
行き交う近隣の人に、こんにちは！と声をかけることには何の問題もない。むしろ黙ってすれ違うのを嫌っている。
しかし、ご無沙汰している知人に、お元気ですか… 元気です…… これができない。
へ理屈かもしれないが、相手も私も、それぞれなにがしか相手を案ずる気持ちがあるに違いないときに、それを一言二言で……。
印刷した葉書に一言を書き添えたいという気持ちは強いのに、それがなかなかできない。
いろいろあって、それだからこそ、結果的に嘘になってしまう一言二言を書くのは嫌だし、余計な心配もかけたくない…… さぁ、どうする？

そうは言っても、どうする術もなく、全くの不本意ながら失礼いたしております。ご容赦ください。

"alibi-36: 引越し未だ完了できず"

一室にベッドと机＋段ボールの山で24時間空調、トイレも常時暖房、寒い風呂場に檜のスノコ
そこまではできたのですが、他の部屋は……