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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2024-06-20

ハインリッヒ・ハイネ「世は耀かがやかに」


詩集「歌の本」より





世は耀かがやかに



世はかがやかに空靑く
吹くそよかぜはあたたかく
明るき野邊の花々は
朝露もちてうなづけり、
人の面輪おもわも樂しげに、いずこのかたも賑へりーーー
ただわれのみは憩はまし、かの奥津城に、
逝きにし人のかたはらに。



Heinrich Heine 1827 Die Welt ist so schön aus Buch der Lieder
ハインリッヒ・ハイネ「世は耀やかに」歌の本 より
片山敏彦 訳




注)面輪 = おも‐わ 顔, 顔面 (辞)
注)方 = かた/ほう 方面, 箇所, 関係する点 (辞)
注)賑へり = にぎわえり (俗解)
注)かたはら = かたわら (辞)


出典:新譯 ハイネ詩集 片山敏彦 訳 1938 新潮社
参照:大辞泉 (辞)




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