春の日の歌
流よ、淡き 嬌羞よ、
ながれて ゆくか 空の國?
心も とほく 散らかりて、
エジプト煙草 たちまよふ。
流よ、冷たき 憂ひ祕め、
ながれて ゆくか 麓までも?
まだみぬ 顔の 不可思議の
咽喉の みえる あたりまで……
午睡の 夢の ふくよかに、
野原の 空の 空のうへ?
うわあ うわあと 涕くなるか
黄色い 納屋や、白の倉、
水車の みえる 彼方まで、
ながれ ながれて ゆくなるか?
ながれて ゆくか 空の國?
心も とほく 散らかりて、
エジプト煙草 たちまよふ。
流よ、冷たき 憂ひ祕め、
ながれて ゆくか 麓までも?
まだみぬ 顔の 不可思議の
咽喉の みえる あたりまで……
午睡の 夢の ふくよかに、
野原の 空の 空のうへ?
うわあ うわあと 涕くなるか
黄色い 納屋や、白の倉、
水車の みえる 彼方まで、
ながれ ながれて ゆくなるか?
中原中也 1938 「在りし日の歌」
出典:中原中也全詩集 P.166 1972 角川書店
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