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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-02-28

ま幸くあらば

 

題詞:有間皇子 ありまのみこみずかいたみて松のを結ぶ歌二首(その一)

2017-02-27

2017-02-24

手向くさ


白波しらなみの 浜松がの 手向たむけくさ
幾代いくよまでにか 年のぬらむ

川島皇子かはしまのみこ:万葉集


注)白波の = 浜にかかる修飾語の枕詞的用法
注)手向けくさ = 行路の平安を祈り道の神に供える 布 木綿 糸 など
注)幾代 = どれほどの年月
注)…ぬらむ = 完了+推量
出典:日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館

2017-02-23

Rev:白鳥英美子さん"恋はやさし野辺の花よ"


オペエレッタ "ボッカチオ" の不倫地獄のようなドタバタの中に、なぜか一輪、掃き溜めの鶴のようにキラリと光る "恋はやさし野辺の花よ"。
白鳥英美子さんの透き通った歌声が、アカペラでさらに光ります。

(歌: リンク更新, レイアウト更新, リード加筆 : 2019.07.17)

2017-02-22

2017-02-21

藤井香織・藤井裕子さん Fauré "Sicilienne"


Brava!!!
∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴



Gabriel Fauré「シシリエンヌ」
Fl. 藤井香織 Pf. 藤井裕子


2017-02-20

うぐひす鳴くも


うちらし 雪は降りつつ しかすがに
吾家わぎへの園に うぐひす鳴くも

大伴家持おほとものやかもち:万葉集


注)うち… = ちょっと すっかり
注)霧らす = 雪や霧などで曇る
注)しかすがに = しかしながら そうではあるが
注)…も = 〔詠嘆〕…なぁ …ことよ
出典:日本古典文学全集 萬葉集2 1999 小学館

2017-02-19

C.P. ボードレール「酔へ!」


酔へ!

 常に酔つてゐなければならない。ほかのことはどうでもよい――ただそれだけが問題なのだ。君の肩をくじき、君の体を地に圧し曲げる恐ろしい「時」の重荷を感じたくないなら、君は絶え間なく酔つてゐなければならない。
 しかし何で酔ふのだ? 酒でも、詩でも、道徳でも、何でも君のすきなもので。が、とにかく酔ひたまへ。
 もしどうかいふことで王宮の階段の上や、堀端の青草の上や、君の室の陰惨な孤独の中で、既に君の酔ひが覚めかゝるか、覚めきるかして目が覚めるやうなことがあつたら、風にでも、波にでも、星にでも、鳥にでも、時計にでも、すべての飛び行くものにでも、すべての唸くものにでも、すべての廻転するものにでも、すべての歌ふものにでも、すべての話すものにでも、今は何時だときいてみたまへ。風も、波も、星も、鳥も、時計も君に答へるだらう。「今は酔ふべき時です! 『時』に虐げられる奴隷になりたくないなら、絶え間なくお酔ひなさい! 酒でも、詩でも、道徳でも、何でもおすきなもので。」

Charles P. Baudelaire 1869 Spleen de Paris
シャルル. P. ボードレール「パリの憂鬱」:富永太郎訳



原典:定本 富永太郎 詩集 1971 中央公論社
出典:ボードレール作品集 2013 Kindle

2017-02-17

「早春賦」白鳥英美子さん


この歌と「浜辺の歌」は、いわゆる唱歌と呼ばれるものの中で、大変好きな曲の双璧です。

この早春賦は、歌詞がまだ寒いと歌っていても、そのメロディーが不思議に暖かく、のびのびとした春を感じさせます。

それに加えて、韻を踏んだ文語体の詩が、切れ味鋭く、冬から春に変わる自然と人の気配を描いてくれます。

そして・・・

「聞けばかるる胸の思いを、いかにせよとのこの頃か」

春の訪れに早く安堵したいのに、思わせぶりな自然の移り変わりに惑わされてしまう、そんな、人の心情を、みごとに詠っています。

このあたりが、詩歌、特に定型詩の、醍醐味であるように思います。

この歌、ゆったりとした波に揺られるような、メロディーの心地よさが魅力ですが、それを、敢えて、歌詞の語幹を際立たせて歌い、もう一つの魅力である見事な "詩" が、メロディーに流され埋もれてしまわないよう… そんな歌い方をしている方がいます。

白鳥英美子さんの、早春賦。


早春賦

 
春は名のみの 風の寒さや
谷のうぐいす 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

け去りあしつのぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日も昨日も 雪の空
今日も昨日も 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けばかるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
 
 
  
吉丸 一昌 1912 「新作唱歌」
  

 
注)角ぐむ = 新芽が角のように出始める
注)あやにく = 折悪しく あいにく  
 


「早春賦」
作詩:吉丸 一昌 作曲: 中田 章
歌:白鳥 英美子

2017-02-16

奪ひて咲ける


題詞:梅花ばいかの歌三十二首 あはせて序
のちに梅の歌に追和ついわする四首 その二

2017-02-14

H.ハイネ / F.シューベルト「海辺にて」


シューベルト作曲 歌曲集「白鳥の歌」より、ハイネの詩による「海辺にて」

2017-02-12

来経行く年の


かくのみや 息づきらむ あらたまの
来経行きへゆく年の かぎり知らずて

山上憶良やまのうえのおくら:万葉集

注)かくのみや… = … ばかりか
注)息づき = ため息をつく
注)…む = 詠嘆的疑問
注)あらたまの = 枕詞 年・月などにかかる
注)来経行く = やって来ては過ぎてゆく
出典: 萬葉集2 #881 日本古典文学全集 1999 小学館

2017-02-11

2017-02-09

Andrea & Sarah : Time To Say Goodbye


今は昔、盲目のテノール、アンドレア・ボッチェッリも好きで、LD, CD を買って、二人でよく聞いた。
オペラのアリアもいいが、ポピュラーな曲を歌ったものにより味わいがあるように感じていた。

2017-02-08

W. アレント「わすれなぐさ」


ヴィルヘルム・アレント (Wilhelm Arent) は19世紀末から20世紀初頭ににドイツで活躍した詩人で、初期自然主義の重要な現代詞華集の出版者。
 - de.wikipedia.org


2017-02-06

R.M. リルケ「さらにふたたび」


さらにふたたび


さらにふたたび、よしや私達が愛の風景ばかりでなく、
いくつも傷ましい名前をもつた小さな墓地をも、
他の人達の死んでいつた恐ろしい沈默の深淵をも
知つてゐようと、さらにふたたび、私達は二人して
古い樹の下に出ていつて、さらにふたたび、身を横たへよう
花々のあひだに、空にむかつて。

Rainer Maria Rilke:堀辰雄訳


原典:胡桃 夏季号(創刊号)1946 赤坂書店
出典:リルケ作品集 2010 Kindle/青空文庫

2017-02-05

2017-02-03

写真 2017020301


2017020301  

「われわれは ≪発明≫ してはならず、≪発見≫ しなければならない。」
 …アンリ・カルティエ=ブレッソン

出典:「アンリ・カルティエ=ブレッソン作品集」1964 朝日新聞社

2017-02-01

音のみし泣かゆ


題詞:老いたる身にやまいかさね、年を経て辛苦たしなみ、また児等こらを思ふ歌七首 長一首 短六首
反歌 その一