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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2016-09-13

友 逝く


同じ中学校に通い、以来数十年、文通が続いていた親友が、逝った。




もう何十年も、たぶん 40 年くらい、会っていはいないのだけれど、数えきれないほどの、手紙と、自分で撮った写真を貼った特製のカードをもらっていた。
私からの返信など、ほとんど年賀状と引っ越しの知らせくらいだったろうと思う。それも、近年は失礼していた。

妻も同窓生だった。亡くなった知らせを送ると、文字通り、折り返しお悔やみを頂いた。
そのとき、自分の病状についても知らせてくれていた。

その後、入院中の病院から二度も、いつものスタイルの特製カードをもらった。

涼しくなったら、体調を整えたら、秋には、雑司ヶ谷に、あるいは入院先の病院に、会いに行こう、そう思ってはいた。

しかし、今の私には、何の前向きな言葉も、励ましの言葉も、出てこない。
言葉を忘れたわけではない。
だから、頑張って書こうとすると、それらの言葉が、そらぞらしく感じられてしまって、続けられない。

∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴

これを書いている今、19時20分、地震で揺れている・・・ああ、このまますべて終わりになればいい・・・と、思わず、思う。
(これは、ある意味で、大変不謹慎なことだと思いますが、深い意味はありません。私個人の "すべて" について述べているだけです。ご容赦ください)。

∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴

そんな、半ば病んだ精神状態で、見舞いも励ましも書き送れず、会いにも行けず・・・突然時間が止まってしまった。
もう、何もできない。

間に合わなかった・・・許してくれ。

山が好き、植物が好き、虫が好き、写真が好き、だった君・・・君の博識には遠く及ばないけれど、その志、なにかしら受け継ぐことができたら・・・そう思っているよ。

冥福を祈ります。

暑中見舞い
7月22日付 入院中の病院より


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