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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2019-01-20

ピアノで "シャコンヌ" : E. グリモー


[ 演奏者の "装い" について加筆・再掲]

女流ピアニスト、エレーヌ・グリモーさん。実に清楚ですがすがしく感動的な "舞台姿" で、バッハ/ブゾーニの "シャコンヌ" を聴かせてくれます。



冒頭にわざわざ "女流" と書いたのは、演奏者グリモーさんの、その際立って美しい装いゆえ。

ここに "美しい" と書いて意図的に飛躍しています。
真意は、その場に最もふさわしい、あるいは、最もTPOにかなっている、そして、それが美しいということの本質により近いと思う、ということです。
さらに言えば、"美しい" と、例えば "華やか" という言葉は、互いに無関係であるばかりでなく、時に、あるいは多くの場合、相反する言葉となるということです。

常日頃、女性演奏者のイブニング・ドレス風の衣装には辟易へきえきとすることが多く、まして露出度が大きかったり厚化粧をしていたりしたら、もううんざり、さようならなので……。
そういうこだわりは、一見、音楽と関わりのない次元の低いことと思われるかもしれませんが、実はそうではなく、すごく大事。
あなたは舞台に立って何を表したいのですか? 私はそういう思いで演奏者と向かい合うから。

目に映る演奏者の姿が、耳に聴く音楽を妨げない。それが、演奏者の然るべき装いの基本。

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曲は、私には庄司紗矢香さんとギドン・クレメル氏の演奏で馴染み深い、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調 BWV1004「シャコンヌ」、それを、近代の作曲/編曲家フェルッチョ・ブゾーニがピアノ演奏用に編曲した作品。

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エレーヌ・グリモーさん: 13歳でパリ国立高等音楽院に入学、同音楽院研究科へとすすむ。15歳でCDデビューを果たし、現在までに20枚近くのCDを発表している。日本をはじめ、ヨーロッパ、カナダ、アメリカ各地での演奏活動を続けながら、99年には狼の保護施設「ニューヨーク・ウルフ・センター」を設立。毎年、数千人の子供達が同センターを訪れている。
 -著書著者紹介抜粋

両親は共に大学教授。本人は大学で動物生態学を学ぶ。1999年、ニューヨーク・ウルフ・センターを設立。ニューヨーク州郊外で野生オオカミの保護活動に取り組むようになる。現在はニューヨークでの生活の一方で動物学を学び、オオカミの生態を研究しながら、その養育を続けている。共感覚の持ち主としても知られる。
著書に『野生のしらべ』(北代美和子訳:ランダムハウス講談社、ISBN 4270000163)がある。
 -ja.wikipedia.org

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Brava !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

16'46"
"Chaconne" ニ短調 BWV1004
Comp: Johann Sebastian Bach
Arr: Ferruccio Busoni
Pf: Hélène-Rose-Paule Grimaud
Site: Der Kammermusiksaal der Berliner Philharmoniker,
Berlin, Germany



注)共感覚=音を聞くと色が見えるというように、一つの刺激が、それによって本来起こる感覚だけでなく、他の領域の感覚をも引き起こすこと(大辞泉)


改訂:2019.01.21 引用文末に加筆 注釈加筆 他
2019.01.22 演奏者の装いについて改稿
2019.01.23 アイコンのリンク先指定誤記訂正:誤記/誤字/脱字/誤植/リンク不良/等々 願わくばコメントにてお知らせください



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