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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- 二人乗り自転車の歌 重要: たくさん分かち合う→運命を共有する (韻に託けて文法無視で意訳した前訳を改訂)

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞追記

2019-01-27

E.グリモー: Mozart "ピアノ協奏曲 第23番" より


「沈黙なしの音楽、それは騒音でなくてなんだろう」 - ピアニストとして演奏活動をする一方、「ニューヨーク・ウルフ・センター(The Wolf Conservation Center, NY)」を設立し、狼の保護とその啓蒙活動に励むエレーヌ・グリモーさん。



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 自然とはまたこれ、もうひとつの言葉である音楽が芽吹く巨大な場所でもあった。小鳥の歌のなかで、大きなニレの木立ちをわたる風のざわめきのなかで、そして夜、月の下で私を呼ぶ狼たちの遠吠えのなかで、音楽が卵からかえる。狼の声を聞くと、ときには雪の中をいっしょに走り、からだをぶるっと震わせたくなる。
 そうすると私は外に出る。夜、野外で時を過ごすのが好きだ。全身全霊を傾けて、水や火の音に耳をすます。こういった音はもうひとつの並行する命、リズム、満ち潮と引き潮をもち、私はそのなかに魂を潜りこませる。ある日、マスター・クラスで、緊張と弛緩のあいだのバランスの問題を抱える若い音楽家に、私はアドバイスを与えた。この青年は音楽のフレーズのなかで、潮の満ち干がいかに大切であるかを理解していなかった。私は言った、「自然の音をお聴きなさい。川に、急流に、小鳥たちの声に耳を澄まさなければなりません」

エレーヌ・グリモー著 北代美和子訳「野生のしらべ」より 抜粋引用

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ビデオ・クリップは、W.A. モーツァルト作曲 "ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K. 488" より第2楽章 "アダージオ"。


Brava !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

8'03"
"ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488 より 第二楽章 "アダージオ"
Comp: Wolfgang Amadeus Mozart
Pf: Hélène-Rose-Paule Grimaud
Cond: Radoslaw Szulc
Orch: Chamber Orchestra of the Bavarian Radio
Site: Prinzregententheater, Munich, Germany




改訂:2019.01.27 ページアイコン変更
2019.01.28 アイコン変更 本文写真削除
2019.02.15 リードに一行加筆
2023.11.10 末梢表現変更



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