Click Icon or Scroll

Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2019-01-16

H.ハイネ / F.シューベルト「都会」


シューベルト作曲 歌曲集「白鳥の歌」より、ハイネの詩による「会」

(改訂:2019.07.15 アイコン埋込リンク誤記訂正)




"Die Stadt"
 「会」


Am fernen Horizonte
遥かなる地平のかた

Erscheint, wie ein Nebelbild,
まぼろしの姿のごとく

Die Stadt mit ihren Türmen,
塔のある町あらはれぬ

In Abenddämmrung gehüllt.
夕影に包まれて。



Ein feuchter Windzug kräuselt
湿りたる風吹きて

Die graue Wasserbahn;
を暗き水に渦を起こし、

Mit traurigem Takte rudert
悲しげに橈は打ちつつ

Der Schiffer in meinem Kahn.
水夫かこはわが舟を遣る。



Die Sonne hebt sich noch einmal
今一度かがやきて

Leuchtend vom Boden empor
日輪の差し出でて

Und zeigt mir jene Stelle,
わがために照らすなり、

Wo ich das Liebste verlor.
かの人に別れし場所を。



Heinrich Heine 1825 "Am fernen Horizonte" aus Buch der Lieder
ハインリッヒ・ハイネ「遥かなる地平の方に」詩集「歌の本」より:片山敏彦 訳


 
∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴



"Die Stadt"
 「都会
作詩:Heinrich Heine
作曲:Franz Schubert
Bar. Dietrich Fischer-Dieskau
Pf. Gerald Moore


原詩出典:シューベルト「三大歌曲集」付録 1961 東芝音楽工業
訳詩出典:新譯 ハイネ詩集 片山敏彦 訳 1938 新潮社


注)橈=カイ ≒櫂 洋式舟を漕ぎ進める道具 和式舟の艪(ろ)に代わるもの
注)遣る=ヤル ものを先に進める/移動する

注)歌曲の題名と原詩のそれが異なっています これはハイネの詩に題名がつけられていないことによります
詩に題名がない場合 その一行目をもって識別し それを題名として扱うことが多いようです。片山氏の訳もそれに倣っています
注)このビデオで表示される楽譜はイ短調(A min)ですが フィッシャー=ディースカウの歌唱は変ロ短調(Bb min) この曲の原調はハ短調(C min)


改訂:2019.07.15 アイコン埋込リンク誤記訂正
2020.06.24 記事タイトル表記変更→H.ハイネ / F.シューベルト



0 件のコメント:

コメントを投稿

      ********** 投稿要領 **********
1. [公開] ボタンは記入内容を管理者宛に送信し即公開はしません
 (サイト劣悪仕様により当該文字列変更不能)
2. 非公開希望の場合もその旨記述しこのボタンで送信して下さい
3. 送信された記述内容は管理者の承認を経て原則公開されます
4. 反公序良俗, 政治的偏向過剰, 宣伝, 広告, スパム等は不可
      **********************************