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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-09-25

巨匠 ファン・ダリエンソ Tango Argentino


アルゼンチン・タンゴの巨匠 ファン・ダリエンソ (Juan D´Arienzo 1900-1976) の晩年の演奏を伝える、テレビジョン黎明期の貴重な映像。



タンゴという音楽ジャンルには疎いのですが、この、ヴァイオリン奏者で指揮者、ファン・ダリエンソが残した録音と、いくつかの録画には、大変興味深いものがあります。

ビデオに残っている晩年の演奏は、まず、その特異な指揮ぶりが目を引きます。時々奇声(?)を発したり笑い声をあげたりニコニコしたりしてもいます。
バンドネオン奏者の面前で、独奏者や歌手がいるとその目の前で、食い入るように顔をのぞき込んだりして、奏者を挑発するようでも、また鼓舞するようでもあり、自らが演奏を楽しんでいるかのようでもあります。

バンドネオンとピアノによる強烈なスタッカートと "無音のピアニッシモ" の醸し出すリズムが魅力である一方、ソロ・バイオリンのセンチメンタルな調べが好対照です。
このあたりの "ドライ" と "ウェット" の両面性が、アルゼン・チンタンゴの魅力であるように思います。

生身の人間が、力いっぱい奏でる音の魅力が、決して良い音とは言えない録音を通じて伝わってきます。
こうした、ある意味での "古き良き時代" に触れると、そこに戻りたくなってしまいます。
それには、もう二十年早く生まれるべきだったかと…… いや、そうすると、きっとどこかの戦場で "その他大勢" とともに殺戮されてしまったかも……。

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音楽が堕落したのは、エレキのせいだ、と、このごろつくづく思います。
まず、エレキによる発音機構をもったハモンドオルガン。この歪発生器のような代物が、学校で、集会所で、教会で、家庭で、人々の良い音を聴く耳をだめにします。
続いて、エレキギター。この騒音発生器が人々の感性を傷つけます。
耳をだめにされ感性を傷つけられた人々は、ひたすら大音響のリズムに酔って、未開人に戻ってしまいます。
穴を開けた耳たぶに耳飾りをつけ、更には、鼻中隔に開けた穴に輪を通して飾ったつもりのようだったりします。いつか見た、あの野蛮人そのものですね。


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 Bravo !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

2'20"
"Loca"
「狂った」
Comp: Manuel Jovés
Cond: Juan D´Arienzo
Orch: Juan D´Arienzo and his Orchestra


改訂:2018.09.25 末梢表現変更加筆



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