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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-09-23

ポール・ヴェルレーヌ「落葉」


「秋の日の ヴィオロンの ・・・」



落葉らくえふ

秋の日の
ヰ"オロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
こゝかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉お ちばかな。


ヹェルレエヌ ━━ 『詩集』


仏蘭西の詩はユウゴオに繪畫の色を帯び、ルコント・ドゥ・リイルに彫塑の形を具へ、ヹェルレエヌに至りて音楽の声を伝へ、而して又更に陰影の匂なつかしきを捉へむとす。
譯者


Paul Verlaine "Chanson d'automne dans "Poèmes saturniens" 1866
ポール・ヴェルレーヌ 「秋の歌」- 詩集「サチュルニアン」1866 より
上田 敏 訳 1905「海潮音」本郷書院



出典:海潮音 日本近代文学大系 52 明治大正譯詩集 1971 角川書店
参照:全文全訳 古語辞典 2004 小学館

注)ヰ"オロン=ヴィオロン (仏:violon) バイオリン
注)ひたぶるに=一向に〈ひたぶる・形動ナリ・連体〉ひたすら 一途に
注)…ふたぎ=塞ぐ (ふたぐ/ふさぐ)〈他ガ四・連用〉塞ぐ
注)色かへて=顔色/表情を変えて
注)げに=既述の事柄への同意;なるほど, そのとおりで
注)うらぶれ=うらぶる〈自ラ下二・連体〉心寂しく思う, 悲しみに沈む
注)出典は全漢字にルビあり


改訂:2018.09.24 注釈三項目追記
2018.10.11 記事タイトル ルビ削除
2021.02.17 注釈 補遺及び誤記訂正



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