
昨日聴いたパティ・ペイジさんの歌から、慰めと励ましをもらったのかどうか、昨日の夕方から、何か気分がいい。といっても、この ”気分がいい” というのがどういう気分のことをいうのか、実はよく判っていないのですが……
病にある人が小康状態のときに、今日は気分がいい、というのを聞くことがありますが、それが実際どういう感覚なのか、自分の実感として経験したこと、そう意識したことがなかったということです。
気候や天候、周囲の状況などに対して "気持ちがいい" という感じを抱くことは、いくらなんでも判りますが、"気分" がいい、というのは自分の内面の状態にかかかわる…… この辺りから先に思考が進まなくなります。
それが、昨日夕方、近くのスーパーに向けて歩きながら、突然、今日は気分がいいな・・・と思った。
何か、もやもや、うつうつ、考えるともなく考え沈んでいた深みから浮き上がったような・・・言葉にはうまく書けないのですが・・・覆っていた何かが取り払われたような、違う気分を味わった。
これが、気分がいいということかな、と思いました。
気のせいか足取りも軽く、間欠跛行も忘れて、といっても数分ですが、気持ちよく歩けました。
だからといって、決して、間欠跛行による歩行困難が気分のせいだというわけではありません。"気分" と "間欠跛行" の両方によい働きをする何らかの変化が、私の体にあるいは神経に起きていたのかも知れません。
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「どうしたんだい?」私は彼女の側に駈けつけて、息をはずませながら訊いた。
「此処であなたをお待ちしていたの」彼女は顔を少し赧くして笑いながら答えた。
「そんな乱暴な事をしても好いのかなあ」私は彼女の顔を横から見た。
「一遍くらいなら構わないわ。 ……それにきょうはとても気分が好いのですもの」
つとめて快活な声を出してそう言いながら、彼女はなおもじっと私の帰って来た山麓の方を見ていた。「あなたのいらっしゃるのが、ずっと遠くから見えていたわ」
私は何も言わずに、彼女の側に並んで、同じ方角を見つめた。
彼女が再び快活そうに言った。「此処まで出ると、八ヶ岳がすっかり見えるのね」
堀 辰雄 1938 「風立ちぬ」より
「此処であなたをお待ちしていたの」彼女は顔を少し赧くして笑いながら答えた。
「そんな乱暴な事をしても好いのかなあ」私は彼女の顔を横から見た。
「一遍くらいなら構わないわ。 ……それにきょうはとても気分が好いのですもの」
つとめて快活な声を出してそう言いながら、彼女はなおもじっと私の帰って来た山麓の方を見ていた。「あなたのいらっしゃるのが、ずっと遠くから見えていたわ」
私は何も言わずに、彼女の側に並んで、同じ方角を見つめた。
彼女が再び快活そうに言った。「此処まで出ると、八ヶ岳がすっかり見えるのね」
堀 辰雄 1938 「風立ちぬ」より
改訂:2020.05.27 末梢表現変更及び数行加筆
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