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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2020-06-03

士やも

 

題詞: 山上臣憶良やまのうえのおみおくら沈痾ちんあ せし時の歌一首


 
 
おのこやも むなしくあるべき 万代よろずよ
語り継ぐべき 名は立てずして



山上憶良やまのうへのおくら:萬葉集 978


左注:右の一首は、山上憶良臣やまのうえのおくらおみ沈痾ちんあ せし時に、藤原朝臣八束ふじわらのあそみやつか河辺朝臣東人かはへのあそみあづまひと使つか はしてところかたちはしむ。ここにおいて、憶良臣こたかたることすではり、しばらくりて、なみだぬぐひてかなしみなげきてこの歌を 口吟こうぎん せしものなり。



注)題詞/左注;沈痾ちんあ=長い間なおらない病気 (辞泉)
注)おのこ=〔名〕学徳の備わったりっぱな人 男子 (全訳)
注)やも=詠嘆を込めた疑問の意を表す:〔係助: 係助詞「や」+ 係助詞「も」上代語》(全訳)
   受ける語と繋ぐ語句節の関連に疑問を呈す(俗解)
注)べき=〔べし-助動-連体-適当/勧誘〕…(する)のがよい …(する)のが適当である …(する)のがふさわしい (全訳)
   上述係助詞"やも"はこの語に繋ぐ (俗解)
注)万代よろずよ=〔名〕限りなく長い年月, 永久, 永遠 (全訳)


出典:新日本古典文学大系 萬葉集2 2000 岩波書店 (大系)
参照:小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館 (全文)
学研 全訳古語辞典 改訂第二版 2014 学研 (全訳)
小学館 大辞泉 1995 小学館 (辞泉)

改訂:2021.01.27 注釈加筆, 誤字訂正
2021.05.31 記事タイトル振り仮名廃止
2021.07.17 左注及び作者名表示順入替
2024.05.14 参照図書記載漏れ追記, レイアウト微調整, 他


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