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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2020-06-24

alibi-43: 引越し作業に進捗!


電動コーヒーミルが故障。その修理/買い替えは敬遠して、とりあえず既存の手回しのミルを使うことに。ところがそのハンドルが見つからない。無いわけはないので、積まれたダンボール箱のどれかに…… というとんでもない事態に……



その手回しハンドル、ポーレックスのハンドミル用で長さ15cmほどの細いものなのでなかなか見つからず、ハンドル探しの執念が日を追って強くなりました。それがなければ間に合わせに何らかのミルを購入しなければならず、ハンドルさえ見つかれば買ったものはほとんど無駄になってしまうのですから、しごく当然ななりゆきでした。
ハンドルが見つかるまでとうとう一週間ほどかかってしまい、その間、断続的に探索が続いた結果、段ボール箱の山が、崩され開かれ広がり、いくつかの箱は空にして廃棄できました。

そうなると欲が出ます。寝室兼居間にまだ残っている三つ四つの段ボール箱の中身を処理してスペースを作り、置き場所が決まらないためまだ空のままにしてある本棚をそこに運び入れよう。そうすれば本を詰めた段ボール箱がまた減ろう。

さらに欲が出て、転居前から本が増えて収まりきれなくなっていたので、既存の中背70cm幅の本棚と同じものを注文し、二つ並べよう。
さらに閃いて、そこにお気に入りの超小型ブックシェルフ・スピーカー二つを、上段の左右に振り分けて入れ込もう。そうすれば音源を目と耳の高さに置ける。これぞブックシェルフ・スピーカーの使い方。
この着想は大変気に入って、大いに乗り気になった昨日と今日、次から次へと動きました。

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じつは最近、うつ、といっていいのかどうかよく判らないのですが、そうかもしれない不思議な気分になることがたびたびあります。

夕方になると無性に悲しいあるいは哀しいような、よく判らない気持ちに襲われます。なんだか訳もわからず、ただ泣きたいような、腹立たしいような、情けないような、そういうやり場もなく原因も判らない虚しさに潰されそうに感じてしまうのです。
朝からの頭痛や、体の冷え、疲れ、など、もろもろの肉体的な原因による不快感に疲弊しているようでもあります。
原因がなんであれ、ひどい時には寝ることにしています。暖かい寝具に身を預けていると落ち着き休まります。そんな日が春頃から多くなっています。

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前の項につまらぬことを書いたのは次に述べることの前提なので止むを得ず。

その、鬱々とした泣きたいような虚しいような気持ちが、この本の片付け作業を始めると、ふっーと、遠のく感じがしました。薄暗闇に光が射したかのように。

段ボール箱から次々と本が姿を現したとき。とりあえず周囲の床に小山になって積まれた本を見て、今思えばその時、失われていた時間が戻った、その時間と遭遇したのに違いありません。
言ってみれば、それは、そこで取り戻したものは、私自身のアイデンティティー(自己同一性)。
私自身の外に物として存在するものにモノに、アイデンティティーを求めるということ、あるいはアイデンティティーがそれに左右されるということ、それは考えようによってはちょっと情けないことであるようにも思います。
しかし、好むと好まざるとにかかわらず、それが現実のようです。

このごろの私自身は、転居通知も年賀状もその返事さえも書けない、世捨て人のような、根無草。
そして、あの夕方の哀しみは、きっと、自分が何者なのかさえ判らなくなってきた、少なくともはっきりしなくなってきた、もう誰からも相手にされていない、そういう感覚が原因だったのかもしれません。

アイデンティティーを回復するには、自らの精神の軌跡をたどりそれを整理統合するより他ないと思われますが、僅かばかりの蔵書ではあっても、少ないからこそそのどれもが、良くも悪くも厳選されたこだわりの書、あるいはいわく付きの書、遠ざかっていたそれらと再会して、計らずも、一瞬にしてその軌跡をたどる結果となったように思います。

部屋の片付けと、頭の中の片付けに、それぞれ進捗があったようです。

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alibi-43: 引越し作業に進捗!

左に並べる同型の本棚の納まるのが、あれぇー、半月も先になるって! まだ先は長い……



改訂:2020.06.26 末梢表現訂正変更



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