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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

改訂情報:


- The Alexander Brothers : Nobody's Child リードに加筆, 一部記述変更

- ホセ・カレーラス「光さす窓辺」 対訳付き原語歌詞掲載

2020-06-27

alibi-44:ベランダにパイプの煙 : 我がやどの


朝のうちに雨が上がり晴れ間が出たのでシーツを洗濯。午後、ベランダにでると微かな風が心地よい。さっそく椅子を出し、やがてパイプで一服。いやぁ、気持ちよい……



すっかり乾いているはずのシーツを取り込みにベランダに出たのですが、湿度が70%を超えているのに、外はまさかと思うほど気持ちがいいので、久しぶりに折りたたみ椅子を持ち出して早めの夕涼み。
湿った空気に霞んで山は全く見えないのですが、かすかな風が気持ちよく、遠くを、下界を、飽かず眺めながら小一時間。

直下に見えている建物は食品スーパー、青い屋根の渡り廊下でこの住戸の建物とつながっていて、雨でも傘なしで買い物に行けます。
その右上の水色屋根の四階建は地元の小学校。選挙があると投票所になります。一年の間にもう二度行きました。建物の右手前には子供たちのプールが緑に隠れて少しだけ見えています。

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この住戸は高度成長期直後ごろの建物なので、古い設計で不便なことも多い反面、潤沢なところもあります。浴室とトイレを含めた住居空間で窓のない部屋がない、壁の内部が石膏ボードではなくコンクリートで防音に優れている、ベランダが広い、等々。引越し前に使っていた十分な長さの物干し竿が、ここの物干し竿吊り金具の間隔が3mもあるため長さが足りず、捨てる他なかったりもしました。
古いが故の不便さにも慣れ、我慢のならなかった浴室床のタイルの目地の汚れも、床全面に防水ウレタン塗料を自分で塗って解決し、住み心地が良くなってきました。
住宅を退去する際の、この床の "原状復帰" はとりあえず "考えない" ことにしました。それをおもんばかってこの先ずっとガマンでいることは、己の生を無駄にすることに他ならないと思う故。

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ベランダでそうこうするうちに、干物の取り入れは忘れ、パイプに火をつけて持ち出し、さらに半ときほどをゆっくり過ごしました。
椅子を置いた場所はガラス戸を開けてある居間の網戸のすぐ前。持ち出したスマートフォンで音楽を再生すると、居間にあるスピーカーが鳴り、その漏れてくる音を楽しめます。唯一の燐戸はずっと空き家なので、多少の音は気兼ねなく楽しめます。とりあえず聴いたのは、H.グリモーのピアノでモーツアルト。

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萬葉集より :「我がやどの」


題詞: 二十三日、興に依て作りし歌二首 その二


がやどの い笹群竹ささ むらたけ 吹く風の
音のかそけき この ゆうへ かも


大伴家持おほとものやかもち:萬葉集 4291


注)い笹=い〔接頭語〕+ 笹 (大系)
注)群竹=叢竹, 群らがって生える竹 (大系+俗解)
注)かそけき=〔幽けし・ク活・連体〕かすかである, ほのかである (全訳)
注)かも=〔終助・感動/詠嘆〕…ことよ …だなあ (全訳)

出典:新日本古典文学大系 萬葉集4 2000 岩波書店 (大系)
参照:学研 全訳古語辞典 改訂第二版 2014 学研 (全訳)



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alibi-44: ベランダに "パイプの煙!"

スマートフォンの極薄カメラ以外の普通のカメラではこういう写真は撮れません!
ブレないように指を添えていますが、ここに写っているパイプ、口にくわえて喫煙中なのです。
パイプのボウルと鼻の頭の間にカメラが……


改訂:2020.07.07 注に追記 かも, 他末梢表現変更
2021.03.17 誤字訂正


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