
嗟嘆
静かなるわが妹、君見れば、想すゞろぐ。
朽葉色に 晩 秋の夢深き君が額に、
天人の瞳なす空色の君がまなこに、
憧るゝわが胸は、 苔古 りし 花 苑 の奥、
淡 白 き 吹 上 の水のごと、空へ走りぬ。
その空は 時雨月、清らなる色に曇りて、
時 節 のきはみなき 鬱 憂 は池に映ろひ
落 葉 の 薄黄 なる 憂 悶 を風の散らせば、
いざよひの池水に、いと冷やき綾は亂れて、
ながながし 梔 子 の光さす入日たゆたふ。
朽葉色に 晩 秋の夢深き君が額に、
天人の瞳なす空色の君がまなこに、
憧るゝわが胸は、 苔古 りし 花 苑 の奥、
淡 白 き 吹 上 の水のごと、空へ走りぬ。
その空は 時雨月、清らなる色に曇りて、
時 節 のきはみなき 鬱 憂 は池に映ろひ
落 葉 の 薄黄 なる 憂 悶 を風の散らせば、
いざよひの池水に、いと冷やき綾は亂れて、
ながながし 梔 子 の光さす入日たゆたふ。
マラルメ ——「詩集」
Stéphane Mallarmé 1893 "Soupir" dans "Vers et Prose"(詩と散文)
上田 敏 訳 1905「海潮音」本郷書院
Stéphane Mallarmé 1893 "Soupir" dans "Vers et Prose"(詩と散文)
上田 敏 訳 1905「海潮音」本郷書院
出典:海潮音 日本近代文学大系 52 明治大正譯詩集 1971 角川書店
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店
注)わが妹 = 私の慕わしい人(俗解)
注)すずろぐ = そわそわ 落ち着かない(大系)
注)朽葉色に 晩秋の… = Un automne jonché de taches de rousseur→そばかす散る 秋の…(土のちり)
注)天人 = 天使(大系)
注)吹上 = 噴水(大系)
注)時雨月 = 陰暦10月の異称(大系)
注)時節の = 自然の移り変わりなど その時々の(辞典)
注)きはみなき = 限り 果て …のない(辞典)
注)いざよひの = ためらいの たゆたいの(辞典)
注)綾 = 模様(辞典)
注)ながながし = 長い(辞典)
注)梔子の = 赤い色(辞典)
注)たゆたう = 定まらず 揺れ動く(辞典)
注)出典は全漢字にルビあり
改訂:2018.06.23 注釈表記変更 レイアウト更新
2020.07.06 末梢レイアウト変更 他
2024.10.13 ステファヌ→ステファンヌ(原典の表記に整合)
2020.07.06 末梢レイアウト変更 他
2024.10.13 ステファヌ→ステファンヌ(原典の表記に整合)
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