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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-11-20

我し知れらば

和歌の一体の旋頭歌せどうか 形式は 五・七・七 五・七・七




白珠しらたまは 人に知らえず 知らずともよし
知らずとも われし知れらば 知らずともよし


元興寺の僧:萬葉集 1018


注)形式は 五・七・七 五・七・七 の旋頭歌
注)左注に曰く「ある本に『元興寺の僧で独覚多智の者があったが、世間には知られていなかったので、諸人は軽んじて侮った。そこで、その僧は歌を作り、自分の学才を嘆いた』と言う」
注)白珠 =(海深く貝に隠れた)真珠
注)我し知れらば = 独覚(仏教語) 静粛を求め、独力で悟りを開くこと。独覚と多智はとは両立しがたい。
訳)海底にある真珠が人に知られることはなく、人はそれを知らなくてよい。
  そのように私の知らないことがあっても、私が自分自身を知って(独覚して)いれば、ほかの人が私を知らなくてもかまわない。(U.D.)

出典:新日本古典文学大系 萬葉集2 2000 岩波書店
参照:岩波 古語辞典 補訂版 1990 岩波書店


改訂:20180723 レイアウト更新 リード加筆 訳文に主語等加筆



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