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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2017-09-09

また見けむかも

 

題詞:大宝 たいほう元年辛丑しんちう紀伊国きのくにみゆきたまひし時に、結松むすびまつ を見し歌一首 柿本朝臣人麻呂歌集かきのもとのあそみひとまろかしゅううち

 
 
 
のち見むと 君が結べる 岩代いはしろ
子松がうれを また見けむかも


作者不明:萬葉集 146




注)君 = 有馬皇子ありまのみこ : 中大兄皇子なかのおおえのみこみ(後の天智天皇)の謀略といわれる謀反の咎により絞首された(大系[日本書紀]:抄録)

    →「ま幸くあらば」有馬皇子が、中大兄皇子の尋問を受けるため護送される途中、岩代で詠んだ歌

注)結べる = (枝を)結んだ : 紐 枝 草 などを結び 願い事を 盟約 予祝した(全集:抄録)
注)岩代 = 熊野古道(現和歌山県)の白浜近く 太平洋に面した地域(俗解)
注)うれ = 草木の枝や葉の先端(全文)
注)…けむかも =けむ〈助動四型・連体・過去の推量〉+かも〈終助・詠嘆を含む疑問〉…ただろうか(全文)


出典:新日本古典文学大系 萬葉集1 2000 岩波書店(大系)
参照:日本古典文学全集 萬葉集1 1999 小学館(全集)
:小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館(全文)


改訂:2018.11.27 レイアウト更新 題詞追記 注釈改変補足 出典巻誤記訂正


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