(それに続く)別なる所信一首
暁に 名告り鳴くなる ほととぎす
いやめづらしく 思ほゆるかも
いやめづらしく 思ほゆるかも
左注:右、四日に使いして都師に贈り上す。
大伴家持:萬葉集 4084
注)名告り鳴くなる=このナリは伝聞推定。ほととぎすの声を、鳥が自分の名を告げていると解して言った(全集)
注)なる=なり〔助•ナリ活•連体〕動詞終止形(鳴る)に接続しかつ近くの鳴声を指すので、伝聞ではなく推定(全文/土のちり)
注)ほととぎす=ここは懐かしく思う人、坂上女郎にたとえた(全集)
注)いやめずらしく=イヤは、ますます。このメズラシは慕わしい意 (全集)
出典:新編日本古典文学全集 萬葉集4 1999 小学館(全集)
参照:新日本古典文学大系 萬葉集4 2000 岩波書店(大系)
:小学館 全文全訳 古語辞典 2004 小学館(全文)
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1'07"
木の間で鳴くホトトギス(姿は一羽、鳴声は複数)
家持は、この歌ともう一首(萬葉集:4091)でホトトギスの鳴き声を「名告り鳴く」と歌っています。
卯の花の 共にし鳴けば ほととぎす
注)名告り鳴くなへ=このナヘは、〜すると同時に、の意を表すが、本来、〜の上に、の意で、ここはその原義的用法、ほととぎすは自分の名を告げて回るということだけでも奇妙であるが、卯の花が咲くと必ず鳴くというのもおもしろい、という気持ち。(全集)
家持が、ホトトギスが自分の名を告げて鳴くようすを言い表した「名告り鳴く」の表現は、その後用法が少し変わり、ホトトギス以外の鳥が鳴く場合にも使われるようになった。
その近代における使用例は上田敏の次の訳詞に見られる。
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