ゲイリー・ショッカー氏は 1959 年アメリカ生まれジュリアード音楽院出身のフルーティストであり作曲家。
「後悔と決心」という、曲名としてはなんとも変わった名前で、そのせいでずいぶん前から曲名だけは知っていました。しかし、およそ感性に訴える命名とはいえず、何か理屈っぽい暗い感じさえ受けてしまって食指が動きませんでした。
だいぶ前に、藤井さん姉妹の演奏でフォーレのシシリエンヌを聴いた時に、二人がこの曲の演奏もしていることを知って、それなら聴いてみようかと。
聴いてみると、あにはからんや、こんなに、しっとりとした情緒と、軽快でスリリングな、楽しい曲であったとは。
フルートとピアノが一体となって、歯切れよくスピーディーに "鳴らす" 趣向が多くありますが、さすが、同じような音楽的な環境に育った実の姉妹ならではと思わせる、ぴったりと息のあった快演!
これはきっと、ピアノが伴奏者として遠慮して後ろに控えているのではなく、フルートと対等に楽器を鳴らし二人で合わせているから、こんなにもスリリングなのでしょう。
これなら、ピアノ伴奏付フルート独奏曲ではなく、フルートとピアノの合奏曲。
香織さんのフルート、相変わらずビブラートが極めて少なく、大好きですね。そして、柔らかでふくよか、艶のあるいい音をしています。
使用楽器は Yamaha YFL-994BH(18金製)。
それと、もう一つ好きなのは、彼女の楽器の構え方。フルートの末端を高く上げる、これぞ ファイファー(横笛吹き:fifer)と思えるスタイル。
このスタイルで演奏するフルーティストをもう一人知っています。たぶんロシアの、木管カルテットで活躍している タチアナ・コルマジーノワ(Tatyana Kormazinova)さん。もしかして、同じ先生に習ったのかな、などと思ってしまいます。
その後、作曲者のショッカー氏がピッコロでこの曲を演奏しているビデオを聴く機会がありましたが、ピアノとの一体感は、会場の音響効果などのせいもあるとは思いますが、藤井姉妹の演奏に及びませんでした。
そのショッカー氏、フルートのチュートリアルのビデオも公表しています。
楽器の構え方やグリップのしかたに強い意見を持っていて、両方の腕をなるべく体から離さない姿勢、結果的にフルートの末端が下がり全体が大きく斜めになる、それを良しとしています。
その構えは、藤井さんの逆。でも、私のような年寄りにはそれがあっていそうなスタイルではあります。
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Brava !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
8'38"
"Regrets and Resolutions(後悔と決心)"
Comp: Gary Schocker
Fl: Kaori Fujii
Pf: Yuko Fujii
Site: The Sydney Conservatorium of Music, Australia
Date: March 12th, 2011.
Comp: Gary Schocker
Fl: Kaori Fujii
Pf: Yuko Fujii
Site: The Sydney Conservatorium of Music, Australia
Date: March 12th, 2011.
改訂:2018.12.07 誤植二箇所修正
2019.08.21 閲覧数に関する注記を削除, アイコン→動画リンクを埋込
2020.07.23 末梢表現変更
2019.08.21 閲覧数に関する注記を削除, アイコン→動画リンクを埋込
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