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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の, こだまし, 雲に入り, 野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2018-04-16

リルケ「おお 友らよ、いろいろな機械が」

「後期の詩集」より




おお 友らよ、いろいろな機械が


おお 友らよ、いろいろな機械が
われらの手を仕事から駆逐するのをあたらしいことと思うな。
さまざまの過程にすぎないものにまどわされるな。
今「新しさ」を讃めている者も まもなく消え去るだろう。

海底電線や摩天楼よりも
全宇は 無限に新しい。
見たまえ、星々は昔ながらの火を今もともしているが
星よりも新しくともった幾多の火が消えせる。

最も遠くとどく機械的な伝導力が
未来の車輪をまわす唯一の力だと信じるな。
なぜなら 永劫は 永劫と語る。

われら人間の経験以上の出来事が全宇の中には在る。
そして未来は、最も遥かなものを
われら人間の内的な真面目まじめさと全く合体させる。


Rainer Maria Rilke (1934)
O das neue, Freunde, ist nicht dies aus Späte Gedichte
ライナー・マリア・リルケ (1934)
「おお 友らよ、いろいろな機械が」後期の詩集 より:片山敏彦 訳



出典:リルケ詩集 片山敏彦 訳 1962 みすず書房



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