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Cogito


東明の空の如く丘々をわたりゆく夕べの風の如く
はたなびく小旗の如く涕かんかな

或はまた別れの言葉の、こだまし、雲に入り、野末にひびき
海の上の風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……

2019-09-09

alibi-25: コオロギ君が家宅侵入で挨拶


コーヒーでも飲もうかと椅子を回すと、直近の壁に黒いムシ…… 見慣れた姿のコオロギでした。
君もまた、一人暮らしのじじいを部屋の中まで訪ねて来てくれたのか…… Welcome!



じじいの耳元で羽震わせてひと鳴きしようとでも思ったのか…… しかし、見ていても鳴くようすはないので、手のひらを合わせた中に閉じ込めてベランダから外へ。外で手を開くと、指の上でしばらくじじいの顔を見てから、ぴょんと跳ねて雨の夜空に消えてゆきました。

網戸のないところは開けていないので、基本的にムシは入れないはずなのですが……
実は、この大変古いは建物は、玄関の鋼鉄のドアが歪んでいて、ドアの下に 1cm ほどの隙間があります。これは入居前の内覧の際に気がついていて、隙間を塞ぐためのテープも厚みの異なる三種類をとっくに用意してあるのですが、何しろ屈まなけれができない仕事なので、それが嫌で手つかずのままになっています。
それというのも、ここが11階であるせいか、蚊もハエもゴキブリもいないようなので、寒くなって冷たい風が吹き込む頃まで怠けていようと思っていたわけです。



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"alibi-25: コオロギ君が家宅侵入で挨拶"

- エンマコオロギ -



改訂:2019.09.11 alibi 番号訂正 24→25


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